イチロー的こころ（旧版）

見事にCS（クライマックスシリーズ）第一ステージを連勝で突破した楽天イーグ
ルスは満場の地元ファンのあと押しを受けていた。

サッカーに押されて野球が下火だと言われていた日から数年、サッカーから遅
れること数十年”地域”を味方にしたチームが東北の地で見事な勝利をおさめ
さらに上を目指すことになった。

今やどのスポーツも”地域”なしでは成り立たず、地元の代表としての応援を
受けることで相手に大きなアドバンテージを与える。
早くから野村監督が「仙台で仙台で」とアピールし、実現したことが9人の後ろ
にいた数万の応援を受けたことに通じた。

さらに球場のある地のファンはこれをさらに囲んで応援するのである。

CS前に選手らのは自発的に集まり焼肉屋さんに監督を招き、「監督の喜ぶ
顔が見たい」と結団をした。
監督は何よりうれしいと、その集いの支払いをしたのだという。

こういうチームが強くならなくてどうしよう。

全員の心がつながり、親やお爺ちゃんのような監督の「笑顔」を見るだけの
ために勝とうと誓い合う。
ファンに約束したように本拠地仙台に持ち込んだ試合は「応援に来て一緒に
勝とう」というメッセージなのである。

かくしてチームと地元ファンは連勝した。野球は盛り上がり、どうすればよい
かを知った。スポーツとはこういう美しい感動が得られるからこそ人気があが
るのである。

弱かったチームが目的を持って強くなり、地元を巻き込んで第二ステージに
向かっている。

我々世代以上の指導者の根性論ばかりの野球が、また市民の手に戻って
興味を集めている。　子供たちは野球の感動を覚えている。

こういうスポーツは発展し、チームは後押しを受けてさらに強くなるのである。

楽天の真似でかまわない、選手たちは勝つ為の目的（監督の笑顔で充分）
を持ち、自ら集まって結団をし、１試合ごとに必勝を誓う。
その為に最高のパフォーマンスを出すことは全員の意思として立ち向かう。

プロはファンあってこそのもの、楽天を見て改めてそう思う、また選手たちは
誰の為に戦っているのかを知り、強くなるのである。

わが応援するチームに向けてのメッセージでもある。
ファンの為に勝て、応援しているよ。