甲州三坂水面

カテゴリー │富嶽三十六景

甲州三坂水面

葛飾北斎が旅をして見た富士を描く富嶽三十六景を見て何を想うか、そんな旅を
しておりまして今朝は第三十三景、甲州三坂水面(こうしゅうみさかすいめん)で
あります。

三坂は現在の御坂でありまして河口湖を過ぎて甲府へ向かう峠道であります。
不思議なこの絵は甲州のいわゆる裏富士(というのは甲州人に失礼ですが)を
描きながら、河口湖に写る富士は雪景色の表富士(静岡県人は表と言いますが)
を映している。

夏も冬も河口湖あたりに到りますと顕著で、この向こうには雪が降り、静岡川へ
下れば雪はなし、夏もスッと涼しくなることを知るのです。

このあたり、現在では観光地でありまして街道沿いには名物”ほうとう”の店が
並び、さてどの店に入りましょうと腹が減る、秋には一層うまくなる味噌仕立ての
たっぷりなほうとうを考えればうれしいものであります。

太めすぎるうどんのようであり、野菜沢山に鉄鍋で煮込まれましたほうとうはか
つての山のごちそうであったのでしょう。
山のきのこ、里の野菜に体を温めるほうとうはスッと涼しくまた冷たい空気の中
でいたく旅の楽しみであります。

湖が鏡となり富士を見る楽しみを徒歩の旅ではよく見ることがあったのでしょう。
今は観光の車に押し出されてなかなかゆっくり見る機会がございません。
ほうとうに暖められてのんびりと澄んだ空気の中に立つこと。
北斎の境地になるには、もう少し時間をゆっくり使う工夫がいるようであります。


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