月と蕎麦

カテゴリー │メシメシ探検隊

月と蕎麦

秋の食べ物と言えば”蕎麦”

ぶん屋さんならば、”たぐる”と言う。蕎麦食いの話です。

いつもの見付宿場通りの蕎麦屋さんと言えば、老舗の三友庵さん。
水を打ったような、風が吹き抜けるというような、ちょっと夏向けの表現
ですが、暖簾をくぐり、こあがりに席をとり、腰をかけて眺めれば、店主
手書きのお奨めが壁に下がる。

もちろん、注文するのは蕎麦。
この季節は全て新そばになり、店主が手打ちした蕎麦が、あるだけの
量で供される。
昼ともなれば、売り切れるものもあるのだ。

だったんそばは美味い上に、美容にも効くと女性に人気が高い。
独特の風味を持つ、少し緑がかった蕎麦は、あれば是非”たぐり”たい
もの、まあ、なくとも蕎麦は新蕎麦なのだ。

薬味は、おろし、胡麻、葱、山葵と皿に盛られ、さらには蕎麦湯がつき
言うことはなし。
まずはつゆの中に、うずらの卵を落とす。

真っ暗な秋の夜にまあるい月が出る。

白い蕎麦猪口にそっと落とし、さらに、摺り胡麻をさらりと散らす。

月のまわりに、天の川が現れるという寸法だ。

バンダナシェフさんは、つゆに山葵を落とすべからずと言う。

蕎麦にちょいと山葵をつけ、蕎麦をとり、蕎麦にちょいとつゆを
”湿し””たぐる”のだ。

蕎麦の風味が口の中に広がり、追って山葵が鼻に抜けてゆく。

蕎麦は口で食い、香りは鼻で楽しむ、箸は次のひと”たぐり”に
行くのだ。

秋の蕎麦はひときわ美味い。

蕎麦は口と鼻で楽しむものなんだ。

夜中に蕎麦話はむなしい、さて、明日また食いに行くかな。

二枚いくかな。

行かないかい?たぐりにさ


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この記事へのコメント
お蕎麦食べたくなりました(笑)
イチローさんの記事を読むとすっごく食べたくなります。
昨日は東京で、浅草並木の藪蕎麦で卵とじとざる蕎麦を食べてきましたよ。
でも、さっき「夕飯はあっさり蕎麦がいいね♪」なんて話していたところ。
うちは定休日なので、これから敵陣進出しようか?ともくろんでいます(笑)
Posted by 三友庵店主&さんたん♪ at 2006年11月16日 19:44
おいちゃん、さんたんさん。コメントありがとう。
浅草いいなあ。。吾妻橋を渡った対岸の向島に住んでおりました。
休みの日も蕎麦の勉強を続ける姿勢が、あのうまい蕎麦を作る
んですね。
土曜11時過ぎにラグビー応援仲間とうかがいますよう!
Posted by イチロー at 2006年11月17日 09:12
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