イチロー的こころ（旧版）

出目金な車はステキだ。

タイヤを収める為にタイヤハウス、フェンダーで覆い、エンジンを置く。
背が高い車ならばエンジンはタイヤと同位置か、高いところに、低い車であれば
フェンダーより低い位置となる。

ゆえにタイヤを覆うフェンダーが盛り上がっているものは低い車になる。

このボンネット両側の盛り上がりがデザインをつくる。
ここにヘッドライトを取り付けることでスタイリッシュな車ができあがる。

じつはこれはエクステリアデザインの特徴だけでなく、インテリアから見える
ビューにも貢献する。

ステアリングを握り、前を見れば、低い車の前方へスラントしたボンネットは
見えないが、両側の魅力的なふくらみが見える。

車幅を確認できるそのふくらみで運転もしやすくなるのだ。

とてもフェティッシュな話ながら、このふくらみにワックスをかけ磨きあげる
のはとても楽しいことだ。
まるく魅力的なふくらみと絞込みをピカピカに磨き上げる。

ゆえにこのようなディティールを持つ車が好かれているのである。

車は乗るものである前に鑑賞するものでもある。
複雑なラインの構成する光や影は光によって変わり、魅力を増す。

車を磨く趣味の方なら、こんなところにと思うラインを必ず見つける。
デザイナーは多くをデザインして、それを隠しているのである。

ユーザーはそれを一つ一つ見つける楽しみがある。

車は人と同様、カタログや履歴書では全てを伝えることができない。

目の前に立ち、日々を過ごす、それが年月を重ねることにより魅力を
一つ一つ見つけ出す。

車趣味は深いものである。

それは人の魅力を見つける楽しみにも通ずる。