基本はランチア

カテゴリー │車にあ

基本はランチア

マイカーなどという表現はもう死語になるつつあるが、あたり
前のように車を持つことができる時代の少し前に「マイカー
ブーム」があった。

小学校の頃、まだ家に電話がない時代があり、学級の名簿の電
話番号欄には(呼)という表示があった。近隣の家に電話をし
てくれという時代である。

1000ccの日産サニーが登場すれば1100ccのカローラが生まれて
競い出した。日本の小さな車はマイカーブームと共に栄えた。
その中にはどの車にも似ていない美しいセダンやクーペが溢れ
ていたのである。

ランチアの車に惹かれるのは当時のままのようなシンプルな
スタイルであり、かつそのモデルたちがそれぞれ少しづつ主張
をするところである。

何の変哲もないリアの灯火類のシンプルさを見ても大衆車の域
を越えることなく、コンパクトな車を作り上げ続けていたその
良識を知ることができるのである。

大きなエンジンを持たず、セダンでありクーペであり魅力的な
スタイルを作り上げることは逆の制約の中にある。
その中でセクレタリーカーとして期待されるような華を持つ。

車とファッションは類似する。そのコレクションに似合う人を
想像させ、それに似合う街を想定させてくれる。
ランチアというブランドは明らかに乗る人を選んでいる。

小さな車からその車人生を始めるというルールが守られていた
頃、若者たちは小さくともファッショナブルな車を選んだ。

その車を見ればどんな年代層が乗っているかが想像できた頃の
車は若者層が楽しめることのみにデザインできた。

やがてくる大きな車の世代を前に楽しむべき車群を持っていた。

ランチアというブランドは”おしゃれ”感覚を持っている。
過剰ではないながら選ぶセンスを求めている車である。

このブランドを目指し、経てゆくべきだと思わせるものを持っ
ている。

大きなエンジンに快適サイズを求めてきた時代は終わり、もう
一度コンパクトなる大人を目指す時代がやってきた。

ランチアのクーペ群の魅力をもう一度見直せば大人の車の姿が
見えてくるのだ。


同じカテゴリー(車にあ)の記事
かわいい子に衣装
かわいい子に衣装(2011-02-28 22:41)

リトルインパクト
リトルインパクト(2011-01-30 00:02)

VWバスな日
VWバスな日(2011-01-27 11:12)

SAABな未来
SAABな未来(2011-01-25 16:46)

気になるワーゲン
気になるワーゲン(2011-01-22 20:01)

雪夜のブレーク
雪夜のブレーク(2011-01-16 21:24)


 
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
基本はランチア
    コメント(0)