土岐の桔梗

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土岐の桔梗

家の裏の小さな庭に父が凝っていた皐月の鉢が並び、そこの角に紙風船のような
紫の桔梗が咲いていた。

中学卒業と共に今の家に移ると、父はいきなり盆栽に目覚めた。小さな庭はいつの
間にか段々の盆栽棚だらけになり、狭い通路で父が剪定をする。
その余ったわずかな角に母が植えた桔梗なのでした。

朝6時半に学校に向かう僕を送りながら、母が「桔梗きれいでしょう」と言う。
それが桔梗を知ったはじめでした。

高校になるとバスと電車を乗り継ぎ1時間半の通学時間は本に費やした。
時代の五木寛之にはじまり、やがて司馬遼太郎の戦国、幕末物に興味が移る。
NHKの大河ドラマ「国盗り物語」が始まったからでした。

今でも好きな武将は明智光秀だと言う。
これは多くは国盗り物語で書かれた能吏明智光秀、武将の明智光秀に憧れた。
さらには、この役は憧れの近藤正臣さんが演じていたのです。

明智は土岐源氏の流れをくむ名家、紋所は水色の「土岐桔梗」である。

今も桔梗は、自慢して教えてくれた母と明智光秀につながる。

紙風船のような蕾がわれて、桔梗紋が現れる。

「明智光秀」になりたい!と言うと笑われたものだった。
武士にして参謀、能吏、築城に才があり、風雅に通じ、一時でも天下を狙い断絶
した。

光秀は本能寺の変の前に連歌の会で「時は今 天が下しる五月かな」と詠む。
時は土岐(明智一族)、天が下しるは天下を取るということを匂わせたという。

土岐は岐阜、明智の土地にも今年桔梗が咲いているのでしょうか。


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