イチロー的こころ（旧版）

お世話になった大先輩の闘病がはじまる。

今までの治療で元気を取り戻されてきたが、今回は本格的な治療をはじめる為に
入院されるという。

なにごともキチンとした方で地域の為に働き、今は心をこめて墨書をする毎日。
年に何度もお目にかからないのだが、丁寧に頭を下げて礼をさえる笑顔が大好き
で慕っている。

先生は残りの生を宣告した。
僕は、そんなことを信じたりはしない。

僕の大好きだった祖母も宣告後、ほがらかに暮らして１０年も楽しく暮らすことができ
た。最後の年の正月には笑顔で写真に納まり、その写真を望まれて叔父叔母に配
ったことがある。よい笑顔に囲まれた大輪の笑顔は祖母のものだった。

大先輩の家に今年も咲かせた花のように、来年も再来年も丹精に育てられたこの花
を咲かせていただきたい。

陽に向かい精一杯に力強く咲く花たちの力も借りて病魔と闘っていただきたい。

病となれば、ご家族の気持ちが大きな力となる。いつも笑顔のご家族が大先輩の一
番の薬となり、力となるようにお手伝いしたい。

花は咲かせてくれた人の恩を知っている。
庭いっぱいに咲かせた花は、その恩人を楽しませようと精一杯咲いている。

「またお祭りでご一緒しましょう」、次に会ったらそう話してみたい。

花は「大丈夫、私たちがついているから」と微笑みかけてくれた。僕は「約束だね」と、
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