コンブのっけメシ

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コンブのっけメシ

「さてはメシが食いてぇな」

お察しのとおりと頭を下げると「俺が研いだんだ」と”ぶん屋”のぽさんが手づから
よそってくれた飯がトンと出る。

「言うと思ったんだ」、してやったり顔のぽさんは、のっけメシの仲間である。
鍋を囲み、しばらくはアテにして飲んでいるが、ひょいと足りないという顔をすれば
即座に見破られてしまった。
しっかりと、仕込んである。これも亭主のもてなしの心であります。

「食わせたいと思ってな」と大黒屋さんが京都から取り寄せていただいたという
”小松こんぶ”をあけてちょいと舐めると、もうたまらない。

さきほどから辛うまの鍋で胃を起こし、酒で活性をつけたところに”リセット”がかか
り、「昆布をわすれちゃだめどすえ」と京の深さをひとつまみで表そうというものが
まっさらな舌に変えた。

北から大阪を経由して届く昆布に織り込んだものをおわかりか、と昆布が言い。
わからないが、うまいうまいといってはぐりはぐりと食う。

亭主が研いで炊き上がりにほくそえんだご飯に、会の為に取り寄せられたこの逸
品という取り合わせに感謝するのだ。

小さな瓶に詰まった一片一片が味をくるませて、どうや?と聞いてくる。
ただ「ありがたい」といただく。

ぶん屋さんが頷き、大黒屋さんが微笑み、バンフさんは酒のアテにとまたつまむ。

有無を言わせぬという文化がある。

「うむうむ」と言いながらこれをいただいた。

当分、食卓の最上となる。

のっけではあるが、「のせ飯」と品よく言うことにする。


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この記事へのコメント
コメントいたします。
味に品がある昆布を友人に食べて頂きたくて持参いたしました。
心に品のある、男達に食べていただきたくて。

   「心の品(ひん)大切です」
            皆さんお持ちですよ。
Posted by 大黒屋 at 2007年11月09日 15:31
大黒屋さん、コメントありがとうございます。
心でいただきます。舌と鼻は心のセンサー、胃までがよろコブ
うれしさです。ごちそうさまでした。
Posted by イチロー at 2007年11月10日 09:22
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    コメント(2)