イチロー的こころ（旧版）

「ムスタングだ！」

小学校の頃に見たこの車をムスタングと言っていた。
フォードのスペシャリティカーを浜松で当時走らせるなど、よほどの伊達男だったの
だろうけれど、車に興味を持ち出した少年たちには恰好のターゲットでした。

ポケットサイズの世界の車図鑑を買ってもらい、車の名前を覚え始めると学校の帰
りは国道を歩き、前から来る車の名前を当てながら帰っておりました。
その中にときどき「ムスタングだ！」が来たり「マツダコスモ！」が来たりする。

家庭に車が入り始めた昭和４０年代のことでした。

ムスタング改め、最近はマスタング、英名をどう呼ぶかはメディアが決めるもの、少々
子供の時のこだわりがありますがマスタングと呼んでいます。

最近のアメ車はネオクラシックブームが続き、旧き特徴あるモチーフを取り入れた車
が次々と発売された中に、マスタングがあります。

特徴的な一段下がった奥目、ブラックアウトされたグリル、華やかなスタイルは当時
「ムスタングだ！」と騒いだ我々に随分とアピールする。
ただし、もちろん乗った経験ではなく、通り過ぎていった姿の思い出であります。

アメリカンスペシャリティという選択はあの頃の憧れの実現、豊かなるアメリカの夢を
買うことになります。

ホテルの車寄せに滑り込むマスタング、なかなかいいのではないか

車の性能はもうどれをとってもそう違いはない次代、持ち物として自らを飾るならば、
こんな選択をするのもお洒落ではないか

野生馬のエンブレムをつけたキーをさりげなくカウンターに置く紳士。
趣味人であれば、そんなくすぐりを持つのもいけるなと思ったりする。

アメリカンの話を書いているのだが、今週はフレンチに誘われている。
これも楽しみなり。

マスタングという選択、さて誰に似合いますかな