これぞお好み

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これぞお好み

細かく刻んだネギや紅ショウガ、そして沢庵を溶いた小麦粉に混ぜ、カップに玉子を割り
入れてかきまぜれば準備のできあがり。

熱く熱した鉄板に油を広げ、丸く薄く広げればお好み焼きのはじまりです。

家の鉄板はいつも油を塗られて新聞紙に包まれて台所にありました。
台所からガスの管をお膳まで引き、コンロを用意して丸い鉄板を置けば楽しいお好み焼き
がはじまったものでした。

「うちの鉄板は1cm以上もある」というのが父の自慢、昔シャーリング屋(鉄板を切断する
仕事をする会社)で切ってもらったのだそうです。

「厚くないとうまく焼けないんだ」というのが父のこだわり、3人の子供を前にして毎回同じ
話をするのです。

小さい頃はお好み焼きを焼くのは父母の仕事でしたが、うまくひっくり返すことができるよ
うになれば、我々子供がその大役が回ってきました。
まずは僕が、そして食いしん坊の弟がお好み焼き係になるのです。

お膳の上には、カキコと青海苔、ソースと醤油があり、最初はソースでいただきますが、
ときどき醤油にすると、飽きずに食べることができる。

父、長男である私、弟、妹、母の順で焼きたてをお皿に乗せて、ワンコお好みになるので
す。

前にも書きましたか、家ではお好み焼きの飲み物は牛乳です。
熱いお好み焼きに、冷たい牛乳がとてもおいしくて、お酒を飲まないうちは全員が牛乳で
いただいておりました。

コテで角をもちあげて、周りにさらりとコテをまわし、頃合いよく、ペタンとひっくり返す。
子供たちにはその大役が楽しくてお好み焼きと聞けばうれしくて仕方なかったものでした。

弟と何枚食べたっけなんて今も話しますが、鍋いっぱいの具が全部無くなるまで食べ続け
ていたものでしたよ。

もう大食いの子供もいないから、鉄板が出されることもなく、お好み焼きもしなくなりました。

でも、お好み焼き屋さんで、「自分で焼きますか?」と聞かれれば、すかさず「うんうん」と
父母に許された時のようにときめいてしまうのであります。

「ぺったん」と返してソースを塗り、両側を内側に折ってひっくり返し、またソースを塗る。

伝えたい伝統ですねというのは、大げさですかね。


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