イチロー的こころ（旧版）

「トロロの時はね、ご飯は小盛にするんだ」

彼氏が彼女にそう言いながら隣でお給仕をしている。クリスマスディナーにトロロ
メシを選びエスコートしている若いカップルと隣あわせた。

「おいしい」、彼女は彼氏の優しさと小鉢いっぱいのご飯にご満悦、なかなかよい
風景なのであります。

「口のまわりにつくと痒くなるんだぞ」

「そうなの？」、どうやら彼女はトロロをいただかない家庭に育ったのかと少し興味
が湧き、しばし耳を傾けてみましょうということになる。

「僕はこれが好きでね、君も好きになるといいなあ」と、彼氏、おひつのご飯を平ら
げてしまい、追加オーダーをする。

「ねっあと何膳食べられる？」

「おいしいから二膳」、彼女、なかなか見込みがあるのです。

おひつの麦飯を彼氏が３膳、彼女が３膳、二人は「おいしかったあ」と席を立ったの
でありました。

かくして、将来の伴侶となる彼女にトロロの旨さを教えた彼氏のクリスマスディナー
は大成功。

日本の大和芋、自然薯市場の将来は明るい！と思わせたクリスマスイブなのであ
りました。

ご飯を食べながらも、片耳は生かしておく、なかなか頬の痒いところに手が届く、
昨晩のレポートなのでありました。

メシ話ばかり続くと、そのうちに仲間の「おいしいのが好き☆」に叱られる・・わけは
ないか、はい。

トロロン、トロロン、トーローロン