御厩川岸より両国橋夕陽見

イチロー

2009年11月18日 09:12



葛飾北斎が残した富士見の旅を振り返ることができるのが富嶽三十六景。
その旅の絵を見て何が書けるかの挑戦の旅も今朝は第四十三景となりました。

御厩川岸より両国橋夕陽見(おんまやがしよりりょうごくばしのせきようをみる)

四十三景を四十三日で旅してきますと、タイトルの楽しさにも気づく、まずは読
んでみる、読めないものがある、富士を不二と書くことを知る。
今回は夕陽(ゆうひ)ではなく「せきよう」と読ませています。
こういうことを覚えるのも楽しみのひとつです。

本所(浅草の対岸あたり)から厩橋(うまやばし)を見ている北斎は夕景の中
にシルエットとなった富士を遠望しています。
富士は昼は雄雄しくまたは美しく見えていますが、夕の陽の中ではその色を
薄めてゆき、やがてはシルエットだけになってしまいます。

そして蒼く夜に染まってゆく中に最後の姿を見せて夜に同化してゆくのです。
先日の旅の帰り道、日は落ちてしまい富士を見れない残念さにふと空を見上
げると、そこには夜の蒼さに輪郭のみを残した富士が現れたのです。

富嶽何景でしょう、私も富士を見つけて思い出に残しているのです。

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