子供の頃に本の楽しさに目覚めたのは母が毎月とってくれた世
界名作全集というハードカバーの大きな本からでした。
世界の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦して
います。
その中には大好きな「長靴下のピッピ」もありましたし、アンデル
セン童話もあり、ピノキオの中でものいうこおろぎに怖がったり
もしました。
そして赤いろうそくと人魚の世界で日本の童話にも触れていた
のでしたし、死ぬまで踊る赤い靴をはいた人魚姫にも会ったの
でした。
その中で内容は忘れてしまったのにタイトルだけ忘れない、そ
の後、ほかでその本を見つけたことのないものがありました。
「森は生きている」という本でした。
イメージは暗い森でありましたし、寒くもありましたからきっとロ
シアや東や北ヨーロッパの本であったのだろうと思うのです。
そして今は海辺の町にいますから、毎日「海は生きている」と当
たり前のことを思っているのです。
多くの漁師さんや漁協のみなさんに教えていただく魚のこと、そ
の種類の豊富さに夢中になって港に通っているのです。
生き物は創造者がどんなに苦心を続けたのだろうと思うほどの
種類があります。動物でも不思議なのに海の生き物ときたら、陸
の私たちが想像もつかないほどの形と色をしているのです。
海は生きているから、私たちは興味尽きることがありません。
海から揚げてきたものは私たちの驚異の的ばかりなのですから。
小さな深海魚を港で拾って眺めればその生き物のストーリーを
考えられる。その形は想像もつかない不思議する形をしているの
です。
海は生きている。そして海の傍で生きている。
今年もこの町で生きていこうと思うのです。