イチロー的こころ（旧版）

今シーズンの選手が揃ったヤマハは、今日ヤマハラグビーフェスタでまず
は一勝をあげた。

後半４０分、終了のホイッスルが鳴る直前にＳＨ（スクラムハーフ）岡選手
がゲイン（前へ走ること）したボールを受けた徐選手が、短いキックを重ね
てインゴール（ゴールラインを越えたところ）で押さえてトライをもぎとった。

勝ちが決まっていても最後の一瞬まで緩めず、貪欲に点をとりにゆく執念
があげたトライでした。

ラグビーはチームスポーツです。
１５人の誰一人が負けてもゴールラインを越えるトライをあげられない。

どのチームスポーツも同じシーズンを共にするメンバーは一年のみ、来年
はまた違う顔ぶれでチームを組むのです。

男たちは今に賭ける。

全員でもぎとったトライに、徐選手のもとに走り、全員で囲んで喜ぶ。

そういう瞬間を見る為にラグビー場に行く。

シーズンが終わり数ヶ月、また新しいメンバーのチームができた。
少し、緩んでリハビリが必要なほど、ファインダーの中で選手たちは速く
なっていた。

スポーツの喜びをファインダーの中に見て、共感して共に走る。

５年間ラグビーを追ったから、最後にはもうラグビーカメラになっていた。

ラグビーは楽しむものだが、ファインダーの中にはその為に苦しみぬき
自らを追い込み、最高のパフォーマンスをする選手たちが写る。

楽しさも感動も苦しさの向こうにきっとある。
スポーツはそれを教えてくれる。　だからボールをカメラにかえて戦って
いるのです。