夕焼けの不思議

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夕焼けの不思議

夏の夕日が幾日も幾日も続いていた夏の日を覚えていますか

いつまでも終わらないでいてほしいと願った日が夕暮れを迎えた頃

空は染まり、次第に顔が見えなくなり、それでもまだ帰りたくなかっ
たあの日のことですよ。

それはいつでも突然に始り、すれ違った刹那の時間に突然に芽生え、
胸を刺してしまう感情だったのです。

今思い出せばあまりにも幼くて、年齢を考えればとても幼くて、それ
でも自分たちに起きた奇跡のことを覚えているのです。

夕焼けを見ていると、なんだかさみしいと感じるのは何かを思い出し
てさみしくなるからです。

近くの幼稚園の園庭の小さなブランコに座り、夕焼けにいつまでも足
をこいでいた頃、一緒に揺れていた女の子のことを思い出したのです。

誘ったつもりもなく、なぜか突然にそんなたった一日の日が訪れる。
子供の頃にはそんな不思議が起こることがあったのです。

夕焼けの空をみあげれば、夕暮れの迫る闇が時間軸をこえて不思議
な昔とつなげてしまうのです。

まだ帰りたくないと思っていました きっと彼女も帰りたくないのだと思
いました。

僕らはブランコに揺れていました。それは彼女が卒園した幼稚園でした。

生垣の間の秘密の隙間をすり抜けてブランコに来たのです。

どうしてそこに行ったのか、どうして二人だけだったのか思い出せない
のです。

ただ夕焼けを見てブランコに揺れていたこと、いつまでも暮れないでと
思っていたことだけが残っているのです。

夕焼けの不思議は、何十年も昔に続いていることなのでした。


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