軒灯籠の夜

カテゴリー │デキゴト路地

軒灯籠の夜

テレビを見ながら昨日気賀の吉野家で撮った写真を携帯をカタカタと
押して見ていると、不思議な形に切り抜かれた軒灯籠を撮っていた
のです。

きっと夜訪れる人を招くように灯されてそのカタチを闇に浮かばせる
のです。

池には一面の水草が浮き、風が吹く度に寄せられています。
聞けば大きな鯉が棲んでいて、時々ポコッと息をして水紋を作るのです。

ゆらりと揺れる灯りが池に映り、鯉の影が交差してゆく夜があるよう
に思うのです。

乾いた建具が風を受けるとガタガタと音がしてガラスもカタカタと
音を立てる。
広間の縁に出た宴会人は松の枝越しに月を仰ぎ見るのです。

母屋の湯船はゆらゆらと沸き、湯気を戸の間から漏らせているのです。

ゆらゆらと灯籠は揺れ、灯された火はやがて落とされる。

鯉は宴席の灯りが消えると静かに水底に戻り静かに眠りにつくのです。

灯された灯りで焼けた灯籠がチンチンと音を立てて冷えてゆくのでした。


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