富士山を駆け上がる男

カテゴリー │ヤマハラグビー部

富士山を駆け上がる男

昨日のヤマハスタジアムのトップリーグ第12節は、ラグビー試合らしくまさに寒風
吹きすさぶなか開催されました。

毎回13時からの試合前3時間前ほどからスタジアムの前にファンが詰め掛けるの
は試合出場のない選手たちも参加し、交流しながらゲート前のフードコートで一緒
にラグビーデイを楽しめるからなのです。

今回の工夫でうれしかったのはゲート内で松下薫選手(今回は調整で出場なし)
が配ってくれた応援シートでした。

ヤマハの応援団が「GOGO.ヤマハ!」と声を合わせる応援はどの会場でも有名
になりましたが、片面にはその応援コールの方法が、もう一面には今回出場する
選手たちが試合に臨む気持ちと今年の目標が書かれていました。

その中で注目したのは、ファンが「日本人より武士らしい」と評するグラント・マッコ
イド選手のものでした。

「10トライして試合に勝ちたい!(試合に臨むこと)」、「富士山の一合目から頂上
まで駆け上がりたい(今年の目標)」というものでした。

グランタ(愛称)選手は練習場でもファンを大切にするジェントルな選手です。

ヤマハの外人選手は歴代「やさしく対応してくれる」選手が多いのですが、彼は
端整な顔そのものにジェントルマンであることを感じ、forチームの精神を感じる選
手として愛されています。  
 
入団年はあの活躍したネイサン・ウィリアムス選手との交代年でした。

伸びやかな体で走るネイサン選手に比べ、小柄(186cmありますが)に見え、圧
倒的なパフォーマンスを見せるわけではない彼に、目立たないなと思ったことが
ありましたが、グランタ選手は個人技でなくチームプレイの選手としてヤマハの
プレイの中に浸透し、それゆえに日本人と変わらない存在として存在しています。

かつてグランタが初めてファーストジャージを受けた時のことを覚えています。
ヤマハは試合の2日前、大久保練習グラウンドで全員が円陣を組む中で監督から
出場メンバーにジャージが手渡されます。

選ばれた選手は全員の前で代表として出場する意気込みを述べ、高々とジャージ
を持ち上げ「ゼッコーチョー」と叫ぶセレモニーを行います。

グランタは他の外人選手と違い照れることなく試合に向かう言葉をかけ、大きな
声でゼッコーチョーを誓うのです。
その様子は決して”助っ人”のものではなくチームの一員としてという言葉と心を
伝えるのです。

昨日の12節、後半10分に交代出場したグランタはトミー(冨岡耕児)選手のあの
斜めに走りあがるゲインを見て大外からフォローに走り、見事応援団総立ちの中、
トライを決めたのでした。

ヤマハ応援団は歓喜の声で「グランター!」と叫ぶ。
グランタは絶対的能力に勝る強い外人などではありません。

それゆえにチームの一員としてサポートからパスを受け、懸命にゴールを目指す
様子に感動するのです。

富士山を一合目から頂上に駆け上がる。
こんな”スポ根”男は日本人にだっていません。

ヤマハの応援団を含む仲間を頂上まで登らせるように引っ張ってゆく時、我らの
仲間グランタが「ガンバリマショウ」と隣にいる。

いよいよトップリーグ最終節、我々はNZから来た仲間グランタのようにfor チーム
の心でまとまればよいのです。

ファン交流会で最後まで丁寧にサインに応えていたグランタが教えてくれたこと
でした。


同じカテゴリー(ヤマハラグビー部)の記事
ヤマハのハハハ
ヤマハのハハハ(2011-02-13 09:49)

応援の力凌ぐ
応援の力凌ぐ(2010-12-20 09:40)

石神勝の天下布武
石神勝の天下布武(2010-04-02 09:59)


 
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
富士山を駆け上がる男
    コメント(0)