男が残したもの

カテゴリー │凧ばなし

男が残したもの

浜松でまつりと言えば、夏や秋のまつりに優先して”凧”こと浜松まつりのこと
である。

「まつり」と言う平仮名の表記も面白く、浜松祭りではなく、浜松まつりであり、
言葉でも「まつり」と言えば凧のことを指している。

わが町遠州浜の20周年記念誌を編集する中で、さまざまなエピソードが集り、
20年間、広くは知られていなかったことも披露されている。

組の創立時から活躍した一人の男がいた。
凧をよく知り、よく調べ、技術を教えられ、組織論者でもあった男がいた。

頭がよく、きれる男と知り合ったことがうれしく、初年度のまつりの3日間はま
だ寄せ集めに過ぎなかった組員が夢中で懸命に凧に取り組んだことを覚えて
いる。

初めての凧に緊張を続けた3日間が終わった5日の深夜、初練りも全てこなし
た組員が全員、会所に入った。

全員が泣いていた。緊張から解かれて泣いていた。そこには3日間の戦友た
ちがいた。
僕は顔を見合わせて、ただその男と抱き合って感激の涙を流した。

そんな男、生涯の友は先に逝ってしまった。

彼は同好会ではじまったこの組が、将来地元の5つの自治会の組になるよう
にとデザインに5つの輪を用いた。

そんなエピソードを20年後に知ったのだ。

男のデザインした提灯に今年も灯が入る。 

僕らは20周年記念誌に男の思い出がたくさん書かれていることに喜んでいる。


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