イチロー的こころ（旧版）

子供の頃に見つけられなくても大人には経験がある。どんぐりの落ちている
ところを知っています。

先日公園に小さなお子さんを連れたお母さんたちがどんぐり拾いに来ている
のに出会いました。
子供の拾っているのはマテバシイのあの長くて大きなどんぐりです。

僕らが子供の頃にはあまり見かけなかったマテバシイですが、どこの公園に
も植えられるようになってからは多く見かけるようになりました。

憧れのどんぐりはくぬぎです。　まあるくて大きなくぬぎは滅多に手に入らず
図鑑で見ては拾いたいものだと思っていました。
ところが、このくぬぎがいつもの公園にはドッサリ落ちるのです。

「あっちにくぬぎが落ちていますよ」と教えてあげましたが、はたして若いお
母さんにはくぬぎがわかったでしょうか

育った町の神社には大きな椎の木がありました。その木は木登りができる
木でしたが秋になるとあの真っ黒でツンと尖った椎の実が拾えます。
どんぐりとはまた違うのは拾えば持ち帰り、父に渡してあげるのです。

田舎で育った祖父に育てられたから町っ子なのに椎の実の味が好きな父
はフライパンで炒って食べていたものでした。

まだ熱い椎の実の殻をカリリと割って食べた味は今も覚えているのです。
あれから40年、あの椎の木はまだ実が生っているでしょうか。
訪ねてみましょうかね。　真っ黒な実を父に持ち帰って懐かしい味を楽しん
でみましょう。