イチロー的こころ（旧版）

まだまだ続く遠州大名行列のお話。

一つの行事を開催するには、多くの人の手と知恵と力を借りて行わなければ
なりません。

遠州大名行列で最も感心することは、企画、演出、出演者、スタッフの皆さん
が全てボランティアで行われ、細心の配置で万全をつくしている姿なのです。

出演者のみなさんも中学生から年配の方まで応募や協力によるものですが
時代装束を手配し、着付けを行い、移動の交通までを行い、さらに進行には
黒子となった実行委員会のみなさんが帯同している。

今回も出演したヤマハラグビー部を撮りながらの移動中も、衣装が乱れれば
沿道各所に配置されている着付け係がサッと現れて衣装をなおす。

行列に乱れが生じないように、前へ後ろへ影となって走り、出る、停まるの指
示を出しながら、行列をすすめてゆく。

その一人が写真の「後藤さん」。

実際の行列の出立を知らせるのは出演のみなさん。
その影となり、調整をしてゆくのが黒子としての後藤さんの務めなのです。

決して前に出ず、されど毅然として組織のバランスそのものになりきること。

黒子のみなさんに本当のスタッフの仕事の方法を教えていただきました。

「さあ、いきましょう」後藤さんが合図します。

タイミングを教えられた出演者が行列をすすめる合図を出します。

その瞬間、黒子は次のタイミングを図りに行列の脇を影になって走る。

毅然として黒子に徹すること、学ばせていただきました。