イチロー的こころ（旧版）

４年前のヤマハ大久保グラウンドに、シャツにネクタイを絞たいかにもラグビー
関連の人だろうという体躯の人が見学に訪れた。

盛り上がった肩、分厚い胸、ヒゲをたくわえた姿に「どなたですか？」とチーム
関係者に聞くと「早稲田の伊藤」だと言う。

次年に入団を決める前に各チームを回る選手は多くいるが、その迫力にきっと
どこかのチーム関係者だろうと思っていた自分は驚いた。

大学４年にしてこの迫力、この選手が入団するのかもしれない。

果たして翌春、伊藤雄大（ゆうた）はヤマハに入団した。早稲田の一年先輩大
田尾竜彦選手が前年に入団したが、大田尾主将率いる早稲田で共に戦い、大
学選手権を準優勝したメンバーの入団であった。
あの「大田尾組」が再構築されるのかもしれないとワクワクした。

伊藤選手には目標がある。
大学選手権の早稲田「大田尾組」は決勝で山村亮主将率いる関東学院に破れ
ていた。その山村亮選手も、大田尾選手と同年ヤマハに入団していたのだ。

「目標は山村亮を越えて、ヤマハの３番になること」、入団後にファンサイトイン
タビューに答えてくれた彼の気持ちは今も変わらない。

１０日（日）の早稲田戦は、伊藤雄大選手にとってトップリーグの厳しさを後輩達
に見せ付ける場となる。

大きく手を広げて、１２０キロの体をさらに大きく見せてのディフェンス、一度組み
付いたらパワーでは絶対に勝つ伊藤選手の活躍を期待したい。

「ヒゲは威嚇ですよ」と、大学時代には強く見せる演出をしていたと言う伊藤選手
には、もう見せかけの威嚇はいらない。
社会人ラグビーを支えている自信と実力がある。

１０日（日）開場１０時、１２時キックオフ、ヤマハスタジアムの早稲田戦は無料で
入場できる。

ぜひ、伊藤選手の活躍を応援していただきたいと思います。