夕涼みの町

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夕涼みの町

「おかみさんの会のみなさんが協力してくれましてね」

昨晩訪れた森蛍が並ぶ森の中央商店街の路上で発起人の一人である飛鳥工房
さんが話してくれる。

「商店主のみなさんの奥様たちですね」と聞くと、森町の元気な奥さんたちが集ま
り、森蛍のために集まってくれているのだという。

さきほどまで設営していた組み立て屋台ができあがり、元気な声が上がりだした。

「茶ところおいしいですよ、食べていってねー」

カメラをかかえて前を通るたびに「こんばんは」と声をかけてくれた奥さんたちから
冷やしたところてんに甘茶をかけた「茶ところ」と、フランクフルトソーyセージのよう
に箸に挿したキュウリの一本漬けの「フランきゅう」を買って縁台に腰をかけた。

「おいしいでしょう」と声をかけてくれ「大盛りでも売れるよ」と笑顔を交わす。
こんな下町らしい会話が「来てよかった」と思わせてくれる。

軒を連ねる家々が出した縁台は散策する人へのまごころである。
そこにお礼を言いながら座り、たわいのない会話をするのが楽しい、宵の町はます
ます暗くなり、蛍がずらりと並び、素直な気持ちになってくる。

夕涼みの町

中央通りの森のがぁんこ屋から瓦に乗せられた送り火が持ち出され、新聞紙を丸
めて木に火をつける方法を大人が子供たちに教えている。

乾いた木に火がつき、宵の町に木の燃える香りが立ち込めていく。

「こうして人が出てくれば町はまた元気になるでしょう」と飛鳥さんの言葉に、うんう
んと頷き、さきほどまでいた「チベット体操のお兄さんは?」と聞くと、月曜日はがぁ
んこ屋さんの二階で教室をしているという。

有名な本の名前を借りれば、まさに「森は生きている」

人が人を呼び、町をゆっくりと盛り上げていることを感ずる、「20年前はこの通りは
賑やかでしたよ」という言葉に、まだ20年前、森の衆はまたここから賑わいを取り
戻す力と努力をしていると感じる。

イベントではなく、風物詩となる森蛍はその一つとなるのだ。

飛鳥さんが「路地を散策するといいですよ」と促してくれ、向こうの通りを覗くとポツ
リポツリと森蛍が続いている。

500もの森蛍が既に森町の衆に協力いただいていると言う。
森蛍は、竹で編んだかごにアクティ森ですいた和紙を巻いて作ってある。

大は二千円、中は千五百円、小は千円という値段は森蛍の会の手作りだから実
現できた値段なのでしょう。

小さなお子さんを連れたお母さんが買いに来て、カゴと和紙を別に買っています。
絵の得意な方に今からお願いにいくのだと言う。

心がこもった森蛍がまた登場していきます。

夜に浮かび上がる森蛍の道に向かいます。
知らない町が、こちらこちらと誘ってくれています。

7月10日から8月15日まで毎日森蛍が楽しめる町、遠州森町は夕涼みの町と
して迎えてくれます。


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