イチロー的こころ（旧版）

スマートな選択というタイトルをスマートを語る時につけてはズルいのだが
なかなかスマートにはいかないのがスマートの選択である。

などと書いては判じ物みたいになる。

誰もが大いに気にしながら誰も乗っておらず、かといって売れているスマートは
不思議な車で、新車のディーラーがどこにあるのかもわからない。

わが仕事の通り道に中古のスマートがよく売りに出されるお店があり、密か
な楽しみになっている。
中古は１００万を大きく切り、おっ！とも、うっ！とも思うプライスタグが掲示さ
れているし、目立つから「早いもの勝ち」だよと言われているようなものだ。

スマートは誰にもわかりやすい小さなシティコミューターであり、２人乗り（フォ
ーツー）である。
ちょい乗りだったり、通勤だったり、買い物だったりする用途は容易に想像が
つくから、興味と趣味と家族構成と使い道が考えつかない方にはまったくご
縁がないことになる。

車であって瞬間に「可」「不可」をイメージさせるのも商品として徹底している。
ゆえに「趣味」さえあれば大いに食指が動こうという車なのだ。

この車のカラーバリエーションの豊富さは二度と同じ車に出会わないほどで
あるとも思える。
台数が少ない上にカラーバリエーションが多ければ唯一に出会える。

大きさ＋定員というスペックに納得した上でスマートをよしとすれば、それ以上
に大きな要素がボディカラーとなる。

じつはボディカラーこそがスマートであるとも言えるのだ。

もともと、スマートはスウォッチが開発の一端を担い、着せ替え、もしくは大人買
い的な要素を持つ。

スウォッチに求められるものは基本性能を認めた上で着けている色の楽しさ、
バリエーションの楽しさである。

スマートを欲しいと、何べんも思い、目立つことも覚悟に入れる。
残るは色のみ。

カラーでイメージの多くを語れる車はほかにない。

自分にとってどのカラーのスマートが似合うのか。これはパーソナルカラーの専門
家にでもお願いするしかあるまい。

でもたとえそれが指定されても、こだわる色のスマートがあるとしたら。

車を色のみで選んでいる世にも不思議な選択をしていることに気づくのであります。