新聞少年

カテゴリー │音楽夜話

新聞少年

小さい頃は団地に住んでいて、フナ釣りをしたりザリガニをとる川の向こうに新聞屋
さんがありました。

そこのおにいちゃんが、釣りを教えてくれたりしてくれるから、僕ら小学生はお兄ち
ゃんお兄ちゃんと慕っておりました。

こんばんは、音楽夜話の時間です。

学校から戻ると竿をもって母に蒸かしてもらった芋を練った餌を持ちその川を目指し
よい場所をとるのが日課の子供たちが大勢おりました。

餌は近くの温室の横でとれる大きなミミズもありましたが、どうにも苦手で芋練りば
かりであまり大きなフナは釣れなかった。
お兄ちゃんはウキやオモリなどを調整してくれて一緒に遊んでくれたのでした。

夕方になるとお兄ちゃんは自転車に新聞を積み込んで仕事に出かけます。
彼はそこに住む新聞少年だったのでした。

大好きなお兄ちゃんが新聞を配るのを見ていて仲間と後ろについていくようになる
と、配達する家まで覚えてしまう。
お兄ちゃんから新聞を受け取り、ポストや家の中に配達をするのが楽しくて毎日つい
ていったものでした。

「どうして新聞を配ってるの」と母がある日言いました。

「みっともないからやめなさい」とも母が言い、お兄ちゃんとの新聞配達ができなく
なりました。

おそらく母は新聞配達を手伝っている僕の姿が、家計を助ける為に働く小学生のよ
うに思えていやだったのでしょう。

もちろん、禁止された意味もわからず僕らは釣り糸を垂れてお兄ちゃんを見送って
おりました。

お兄ちゃんがどんな人だったのか、それからどうしたのかは覚えていませんが、配
達自転車の後ろを小さな自転車で追いかけて新聞を配った思い出だけが残ってい
ます。

新聞配って何ヶ月、少しだけ新聞少年の気分を味わった思い出があるのでした。

今晩は、山田太郎さんで「新聞少年」をおおくりします。

雨や嵐の日もあったはず。お兄ちゃんは今どこで何をがんばっているのでしょうね。


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