吊りのバイオリン

カテゴリー │音楽夜話

吊りのバイオリン

女の子の洋服のコーナーへの高い仕切りを兼ねた壁の上にギター
が吊るされている。

その中のグレコモデルのバイオリンベースを見上げている。
しばし見上げていれば同世代と思われる同じおじさんが見上げて
通る。
バイオリンベースに特別な思いを持つのも同世代の証なのである。

もしベースを担当するならばこれさ、と思ったことがある世代は
これならば左で弾きたいと思う。

ギターが弾けない頃だったのなら左で練習すればよかったとも思
うのです。

ご存知のようにバイオリンベースはポール・マッカートニーに憧
れた、なりたい青年たちの共通のサインとして存在しています。

これさえ手に入れれば誰の目にもポールファンであることとBEA
TLES好きであることも伝えることができるのです。

誰もがBEATLESを目指してギターを手にした頃がありました。
歌いながら弾く、その歌を自分たちで作り、全員でハモりながら
楽しそうに歌うことに憧れた頃でした。

CMにその歌が使われれば今でも見、聴き入ってしまうのです。

バイオリンベースを抱えて歌うならばコンビのギターと一本の
マイクで歌います。
今ならばマイクはそれぞれに配することもできますが、このベー
スを抱えたなら仲間と一本が格好がよいのです。

バイオリンベースが高いところに吊るされています。
金額を見れば決して買えない値段ではありません。

楽器を眺めていれば空想は自分がその楽器を抱えてステージに
立つところまで進んでいきます。

そして、「いいなあ」と思うだけの我に還るのです。


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