父の椎は子供の基地

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父の椎は子供の基地

久しぶりに浜松の大瀬町のお宮を訪ねた。

小学2年から中学卒業まで大瀬に住んでいて思い出深く、懐かしい
話のそこここに、この神社は登場する。

虫とりも境内での陣取り遊びも、盗んだうらなりのスイカを冷やした
井戸もここにあり、花火の思い出もこの神社の祭りの思い出になる。

久々にお宮の椎の木に再会した。
お宮の入り口のすぐ西側にある椎の木はもう見上げるほどの高さ
になっていて太い枝を広げておりました。

秋になると「椎の実を拾ってこい」と父から言われ、この木の下を
探したものでした。
父は椎の実をフライパンで炒って食べるのです。

小学校の僕らはこの椎の木を基地にしておりました。
今は高くなった枝は、小学生がちょっとがんばれば登れるところに
あり、太い枝の又に上がっては低学年の子たちをうらやましがらせ
ていた。その枝を見上げたのです。

木は40年もの間に大きく高く育っていました。
見上げると椎の木はお前はどうだい?と言っているように思いまし
た。

椎の実の落ちる頃、またこの木に会いに行き、拾った実を父への
お土産にいたしましょう。

あの頃と同じ椎の実、父は懐かしく食べてくれるでしょう。



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