盛る酒徳利

カテゴリー │焼きモノ書き

盛る酒徳利

 また「焼きモノ書き」を始める。

ご縁ありて浜松の郊外半田山のギャラリーRoundTableに展示される焼き物の写真
をお借りしながら思いつくままに心象を書いたりする。
焼き物を集めたり使ったり、ましてや作ったりはしないのだけれど、焼きモノ書きは
小さく宝石のようなものが好きである。 お願いしてまた始めることにした。

「蕎麦屋で酒、いいねえ」、親友との話に頷くのは、彼は友人と町へ出ると昼間か
ら蕎麦屋に入り酒を呑むという。

蕎麦をたのみ酒を飲む、それも昼間にという贅沢さである。

酒のみは卑しいもので外で酒が呑みたいもので、ましてやこんな魅力的な呑み方
を聞けばたまらなくなる。 町は少し冷え始めている熱燗で一杯なんていいじゃない
か。

蕎麦屋の徳利がトンと到着すれば我ら酒呑みは小指をちょいと曲げて底をさぐる。
大抵の徳利は一合と言っても深く上げ底になっている。
これを確認しつつ、七勺かな・・などと思いつつさらに大事に酒を呑む。
むしろこれが七勺ならば、三本呑んでも2合ほどなのだと喜んだりする。

車など使わずにバスに乗り、バスを乗り継いで遠い気賀まで旅をしたことがあった。
その心は「呑む」からである。
一杯の酒、一合の酒(じつは一合を何本か)の為に1時間ほどもバスに揺れる。

ご馳走を食べ、酒を呑んでヨイヨイになる休日の午後である。
外は秋の風が吹き、畳に寝転べばいつの間にか眠ってしまっていた。

徳利、トクなりと大ぶりで底があがらず持ち重り、酒はなみなみトクトクと流れ出る。
養老の酒とはかくなるものぞと徳利をかたむける。

ああ・・じつは酒やめてるんだなとそんな誓いは破るに限るゾと思う。
日曜の午後、バスに乗って蕎麦屋に行こうかな。 友はこんな誘いにのってくれる
奴に限るのである。

写真はRoundTableよりお借りしました。


同じカテゴリー(焼きモノ書き)の記事
片口の秋
片口の秋(2009-09-22 09:08)

お茶趣味の湯飲み
お茶趣味の湯飲み(2009-04-28 11:18)

ROSSO
ROSSO(2009-02-12 16:55)

花びらの皿
花びらの皿(2009-01-13 10:26)

甘露なり
甘露なり(2008-12-29 09:50)

湯を分ける、注ぐ
湯を分ける、注ぐ(2008-12-28 15:35)


 
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
盛る酒徳利
    コメント(0)