花緑青はなろくしょう

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花緑青はなろくしょう

日本の伝統色とは愛されて継がれてきた色を言います。自然の光の中の色を
見つけては名をつけ、毎年その色を楽しんできた日本人の感性がそこにはある。

その色も名もおもしろい日本の伝統色から一色を取り出しては何が書けるか挑
戦してみる。

今朝は花緑青(はなろくしょう)です。

寺やお宮のような建築が進むと屋根葺き工事となる。そこで使われるものに銅
(アカ)があります。
もちろん裕福な家の普請にも使われまして軒の上を葺いたりする。
高価な銅板(アカ)が使われているのは富を表すことになります。

板金屋さんがこしらえてきた銅がねをトントンと葺いていきますと立派な普請と
なる。新築中には銅(あか)く眩い光を放っています。

この銅、建物の竣工した頃には眩いものですが、落ち着くと共に独特の青緑色
の錆びが出てまいりまして緑青(みどりあお)そのものと漢字をあてまして緑青
(ろくしょう)と言う。

大仏様にも使われておりましてあの色は私たちが大切にしてきた高貴かつ高
価な色を表しています。

錆びてこそ愛されるのが銅貼りのすばらしさ、この場合錆色のほうが立派に見
えますから狙いの色となります。

銅が多いから立派な普請だな。そんな普請に出会いましたら建築する人のさら
なる狙いを知ることができる。
錆は歴史、家の歴史であり、美しく長く栄えますようにとの祈りの色です。

さらに花を添えまして華やかにする。色は変わりて長く留めることとなる。
全てに通ずる祈りの色であります。


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