銀煤竹ぎんすすたけ

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銀煤竹ぎんすすたけ

煤竹とは囲炉裏のある家などの梁の見える大屋根の内側で、長年燻された
竹のことを言う。飴色になった古き竹は多くは建材であったものである。

私たちが育った昭和には団地や新しい住宅も多くあったが、まだ多くの
農家が古い日本の家を守っていた。

わらぶき屋根にトタンをかぶせたとしてもその形は昔の農家のつくり、
広い広縁があり、その前に筵(むしろ)を広げて、おばあちゃんが豆を
干していたりする。

しんと土の匂いがする土間があり、その二階は低く子供部屋に使われて
いた。

ある夏休み、同じ共同研究の宿題をする「女子」の家がその研究班の会場
となった。農家であることは女子を恥ずかしがらせるのだが、農家ではな
い男の子は珍しくて仕方がない。

よく来たねの家族揃って迎えてくれることこそ、団地っ子には経験がない。

昔むかし、それは中学生くらいであったと記憶している。次代が不明なが
ら確かに班の研究だからその程度であったと思われる。

二階にあがる階段は居間からむきだしである。そこへあがってゆく。
なにげなく見上げれば先行する同級生の女子の足があり、白い下着が見え
てしまう。

なにもかもが夏の思い出である。まだまだ少年はそんな鮮烈を思い出して
いる。いまだに煤けない思い出である。


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