白茶しらちゃ

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白茶しらちゃ

「残しておいてね」と山のお母さんと呼んでいる女性にお願いする
のは蕎麦の茹で汁、大鍋に沸くそば湯のことである。

日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦しています。

注文が相次ぐといかに大鍋でも湯は白濁しとろみさえ出て、次の
蕎麦が茹でづらくなる。タイミングでこぼしてしまうからだ。

蕎麦後には必ず、そうでなくとも濃い目のそば湯を好み、厨房に入
りこんでは大きな湯のみに蕎麦湯を使い、つゆを足す。
目をつぶって「うまい」と言うほどの好物である。

親戚に蕎麦屋があり、父の乗るポンポン(浜松ではバイクのこと)
の後ろにつかまって乗り、よく出かけた。
父は盛りそばなどを食べ、「そば湯をおくれ」とそれを飲む、その
息子も美味しくもないと思いながら飲んだ。

それが今のそば麦湯好きにつながっている。

サラリではまずく、ドロリでもいけない、そば猪口たっぷりの蕎麦
湯に口を近づけるとソバ、ユルリと入ってくる濃度を好んでいる。

ソバは垂れた先にちょいと浸ける、いた付けるだけだから濃い目に
残る最初のそば湯はちょいと濃すぎる、これを半分いただきそば湯
を足す、このあたりからうまくなる。

「んまいねえ」などと山のお母さんに言うから、とんでもない時に
お呼びがある、「早くおいで」と言われて湯のみ片手に厨房に飛び
こむ、ソバ、ユルリのそば湯をいただいてほくほくとする。

そんなことを書けば、そば湯の香りが匂うような気がする。


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