イチロー的こころ（旧版）

暑い暑いとアスファルトの駐車場からやってくる仲間も、寒いねとやってくる海の
仲間もお気に入りなのが浜名湖ボートクラブカナルの前庭のベンチです。

浜名湖につながる水路に向けて置かれたベンチは、夏は水路を渡る風を受け、
冬はクラブハウスとＸＩＶの建物にさえぎられて陽だまりとなるのです。

名づけて「海と同じ高さのベンチ」、ここに座れば前を通るレジャー艇も漁師さん
の船も手をあげて挨拶して通りすぎていきます。
鵜が遊びに来て、「パシャ」と、あちこちから顔を出しては潜るのを見ることが出
来ます。

ぼんやりと座っている仲間が、ここに座っているとやがて船に乗る。
そうそう、こっくりこっくりと船を漕ぎ出すのです。

子供たちはここから水路に向けて釣りをしたり、水路に下りて貝を探したりする。
水際にはサワサワと小さなフナムシが騒いだり、小さなカニが隠れたりしています。

マリーナは船に乗る遊びだけが過ごし方ではありません。
のんびりとベンチに座り、そよりと海風を感じて本を読み、うとうとする。
時間を忘れて海を感じていればよいのです。

船をこぐうちに、ブーンとエンジン音を立てて船が行き過ぎて目を覚ます。
船の立てた波がパシャパシャと岸に打ち寄せます。

写真は冬のもの、今は緑の芝が青い香りをあげています。
ベンチから降りて芝に寝ころび、太陽と海を感じるのもいい感じ。

時計を見ずに水路に落ちる影で時を推測する自由なる休みの日。

カナルへ出かけたら時計をはずして海と同じ高さのベンチに座ってみてください。

風と波、ボートの音の中で時間を忘れることができますよ。