湯屋のすすめ

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湯屋のすすめ

シャッター通りなんて申しまして、どこの商店街にも空店が増えましてシャッターを
降ろしたままの店がある。

これが1軒2軒ならばまだよいがズラリとならんで来ると「シャッター通り」なんて申
します。商店街で店を見ないでシャッターを見ていてもはじまらない。
そんなところで町興し、町のみなさんで活性化などという運動がはじまります。

そんな通りを見るにつけ、「昔は地元で何でも買ったもんだ」とか「店開けてれば家
族が食えたもんだ」なんて話をしますが、「大規模店が悪い」なんてことよりも本来
は利用者側のご都合が優先するようでございます。

さて、地元浜松に無くなりつつあるものの一つに「銭湯」がございます。

「おっ!スーパー銭湯ならよく行くぜ!」というお話もありますが、あれではない、
その町その町には煙突を立て、午後ともなれば煙を吐き出している町の銭湯があ
ったものでございます。

この下町の銭湯好きは30代に始まりまして、車に100円ショップで買ったカゴに
シャンプーと石鹸、軽石に髭剃り、タオルを常備しておきますと、ちょいと思いつい
た時に銭湯に立ち寄れる。

この思いついた時にというのが、平成流の銭湯の利用法でございます。

今では浜松には残り5軒でしょうか、浜商の近く、栄町あたり、野口、海老塚、曳馬
の銭湯を回ります。

湯屋のすすめ

昔から公衆浴場組合というのがありまして、ご認可の墨書で湯銭が書いてありま
すが、今は取り決めより残り少ない銭湯の事情に巻かされているようでそれぞれに
湯銭は違います。300円から350円ほどが相場になっております。

かつて銭湯は下町の社交場、子供から爺さん、婆さんまで通うから近所のことは
ここが情報源、子供が入ってくれば大きくなったねえなどと話をして成長を見守る。

今や家庭に風呂がありますから、銭湯など体験のない子供が増えております。
もとより、その親が30代ともなれば親が銭湯になじみがございません。

私が愛読するブログに”風呂屋のオヤジの番台ブログ”というものがございまして
なかなかよいことを書いていらっしゃる。

こちら東京は墨田区の銭湯のオヤジさんで、銭湯本まで書くという銭湯存続の立
役者みたいな方でございます。

銭湯オヤジさんは言います。

「今 銭湯に湯のぜいたくがある」

良いことを言いますね。

設備とサービスには限りがありますが、湯屋には溢れるほどのお湯がある。

銭湯に行き、カランから桶にザブザブと湯を注ぎ、体を洗う。
もちろん、自動給湯システムなんて家でもジャブジャブとやっているわけでござ
いますが、手足を伸ばして五六人も入れるなんて湯船はない。

野口のお湯の中には張り紙がしてありまして、「銭湯がよいのはマイナスイオンが
溢れているから」とありますね。

マイナスイオンは水や湯から発生しますが、これは天井の高くなければ多く含ま
れないそうであります。
銭湯の湯にゆったり入り、高い天井を見ながらのんびりとする。

これが一番、「健康には毎日銭湯を」なんて書いてもあります。

町の商店街にシャッター通りが増え、小さな店がどんどん廃業になるのは巨大
資本の大規模店が増えたから、などとおっしゃるみなさん。

まずは町の銭湯もみなおしてみて下さい。

「タオル忘れちゃったよ」なんて言いますと、番台のおばさんが消毒済なんて書いて
ある箱から「はいよ」と貸してもらえる。

借りたのですから、脱衣場で体をふいた後、丁寧に水で濯いで返却いたします。

「ありがとね」、「はいよ、おやすみ」と言葉で触れ合いもできる。

毎日井戸から組み上げた水を沸かして気持ちよい湯を絶やさない町の銭湯も、残し
たい町の資産であります。

スーパー銭湯に行けば、子供は自由に遊ばせられるなんていう御仁も、一度町の
銭湯もご体験願いたい。

サッと行って、サッと帰り、ビールをキュッ!

タオルを頭に巻いて子供たちと家に向かう風情を、味わっていただいたいものであ
ります。

残したいねえ町の文化


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