赤いクーペで

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赤いクーペで

久々に愛する車を垣間見て、ドキッとしてしまう。

東京までのバス行のSAでキャリアに乗っていたのは、いすゞ117クーペの旧型、
通称「丸目」と言われる量産型でした。

117にはこのモデルの前に「ハンドメイド」と呼ばれる希少なモデルが存在します。

自分が乗っていたのは丸目の後の後期型にの「角目」モデルの三台でした。

古い設計の車は味があり、現在の車のような操作セオリーが通じません。
ドアハンドルのボタンを押して開け、乗り込むところからエンジンをかけ、さてハンド
ブレーキはと見渡せばシートの間にはないのです。

かつてのトラックのようにT型スティックがコンソール下にあり、まわして奥へ戻して
解除する。
ライトのスイッチは右のパネルにあり、引いてつけるところがまた旧き設計の楽しみ
でもあるのです。

美しいクーペのつぶらな丸い瞳やバンパーには豊富にクロームが使われていて、
雨に濡れたら丁寧に水をふき取っておかなければ水滴の染みができる。
ピカピカにしておくには、それなりに神経を使ったものでした。

赤いクーペを覗き込めばシートはバケットになっているレーシングタイプの改造がさ
れている。
キャリアでどこかのヒストリックレーシングイベントにでも行くのかもしれません。

どのような車も古びれていくものですが、車は時代表すものとして再び注目される
時代が来る。

車はその時代の我々を乗せるだけでなく、その時代の空気も封じ込めて存在する。

低いクーペに乗るのはちょっと苦労するかもしれませんが、乗り込んでしまえば、
ダッシュボード、メーターに囲まれた向こうのフロントスクリーンにあの時代の道が
広がる。

ノスタルジック、懐古趣味というなかれ、我々がいつも若さを失くさないように、大切
にされた車は、我々よりも健全に時を重ねているのです。

ミニもバンもあった時代には、ミニバンはありませんでしたが、街には小粋なクーペ
が景色をお洒落にして走っていたのです。


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