桜咲けば

カテゴリー │音楽夜話

桜咲けば

春は全てに平等に暖かさを与えてくれるのだけれど、時に残酷な季節でもある。

美しく咲く花も永遠ではないことに気づき、続いていたものが途切れてしまうのも
春という季節がもたらすものなのです。

こんばんは、音楽夜話の時間です。

学生生活を過ごす間、私たちは永遠なる時間を持つ。持て余すほど力を持ち、
一晩中話していても解決できない悩みを持ち、恋をする。

そして永遠は最終学年の終わりと共にやってくることを知り、毎日一緒にいた仲
間を失う時が来るのです。

幼稚園や小学校と何度も経験していることなのに、上の学校にあがる度に経験
したはずなのに気づかない、春の残酷を体験するのです。

そして全てがリセットする春は新しい生活を連れてくる。
また一から仲間を探す旅がはじまるのです。

今年の春は仲間と別れて一人で歩く不安につぶされそうだと相談があります。

けれど、今は私たちの頃とは違い、今持つ仲間との距離がどんなに離れたとし
ても直接連絡できる方法がたくさんあるのです。

どんな人にも訪れる春は、人の数だけ方向が違う道へ向かうジャンクションです。
それぞれの道を走り始めたら、しばらくは誰もその道を走るのに夢中になる。

誰もが経験しない初めての道を走っているのです。

そして、周りを見回せば自分だけだと思っていた同じ道を走る人たちがいること
にお互いに気づくのです。

旧き仲間と春のジャンクションで別の方向へ走っても、その道にはまた新しい仲
間たちが待っている。
決して一人ではないのです。

そして、今は旧い仲間と毎日会うがごとく連絡できる手段をたくさん持っている。

春のジャンクションは坂道への分かれ道、誰もが坂を見ておびえてしまいます。

けれど、きっと新しい仲間と励ましあいながら登ることができるのです。
そしてあなたを知っている旧き仲間は携帯電話やパソコンの向こうで励ましてく
れるのです。

春の残酷はきっと予防注射に並ぶ列の不安です。
チクリと痛んだあとは、より強い心と体になって立ち向かうことができる毎日が
待っているのです。

今晩は、春の冷たさ、NSPの”弥生つめたい風”を聴いてみましょう。

弥生の風が冷たいのは春が連れてきた心さわぎです。 

もっと強い花になるための嵐なのです。


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この記事へのコメント
コメントいたします。
繊細な表現ですね。
出会いがあり、別れが来る。
「散る桜、残る桜も、散る桜」
風が散り方を教えてくれる。
自然とは、ありがたいものです。
Posted by 大黒屋 at 2008年03月12日 10:18
大黒屋さん、コメントありがとうございます。
花が桜を表すならは散るのも桜、春は喜びと共に心揺れる季節ですね。
Posted by イチロー at 2008年03月12日 18:58
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    コメント(2)