潤しの杯

カテゴリー │焼きモノ書き

潤しの杯

「おわりましたね」 「終わったね」

後片付けを終えた公民館の窓を開けはなち、凝縮していたまつりの気持ち
が風に流れてゆく。

きれいに拭かれたテーブルには手作りの料理が並び、真っ黒な顔が席に
着けば男も女もまた日常に戻り、三日間一緒に過ごした仲間を、もう少しだ
け懐かしく見渡すのです。

「今年も事故なく楽しくまつりができました」、凧揚会長の乾杯の音頭で杯
を持ち、キリリと冷えたビールで潤すのです。

「うめぇ」 「最高だ」

襷(たすき)をつけた役員は凧の間中は、初家さまと町内参加者の為に運
動します。
皆が楽しく過ごし、祝福の心集めようと働きます。

サラッとしたシャツを着て、ジーンズになり、真っ黒な顔をした顔と顔を見合
わせて「うめぇ」と飲むビールは、自分たちの襷の誇りへのご褒美なのです。

パシュツとあけるビールの栓は自分と仲間たちの為にある。

そのビールを互いの健闘を讃えあい注ぎあうのです。

まつりの前に、ぶん屋さんと話し、つくる人、参加する人の話をした。

参加は誰でもできますが、つくる心を持つのが襷なんだと話が合った。

自分に乾杯、来年はもっと納得できる人になろうと謙虚に思うのです。
ビールが少しだけ不完全燃焼の体にしみとおってゆく。

「ありがとね」 コポコポと泡を注ぐ。

互いに一人ではできない凧と友を再認識するのです。

※写真提供:「Round table」ギャラリー通信!どの


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この記事へのコメント
イチローさん、おつかれさまでした。
5日は、凧場はお休みさせてもらいました。
今年は、日頃の疲れがたまっていたのか、
これまでになくキツかったです。。

中組は、裏方の女性部や、子供と中学生父兄会の襷以外、女性に襷がまわることはありませんが、
太鼓を叩いて約10年、作る側に参加しています。

あぁ、これで夏がやってきますね。
凧の話を皆で大黒屋さんにして差し上げましょう。
Posted by あき at 2008年05月07日 10:04
あき姐さん、兄ぃに体を壊したと聞いて心配をしておりました。
つくる側は緊張の中で心配りが仕事、お疲れになったのでしょう。
次の会でお互い元気な顔で会いましょう
Posted by イチロー at 2008年05月07日 13:32
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    コメント(2)