イチロー的こころ（旧版）

羊羹をいただいて、パッケージを開けどう切ろうか思案して薄く切ってみた。

「もっと厚く切れ」と父が不満そうなのは自分の分だと思ったから。

いえいえ、これは自分の分、ウィスキーに合わせてみるんですよ。
「ははは」と昨晩の会話は笑いで終わった。

羊羹は厚く切り、とっておきの掛川茶を入れて味わうのが正しい。
ウィスキーはじつに何にでも合い、甘みを受け入れてくれるのです。

口に残った甘さはウィスキーの甘さを引き出し、お茶のように口を洗わずに
後をひいてくれるのです。

甘すぎてはいけない、厚くすることで過ぎてもいけない、薄くその味を出し
ながら透き通る甘さを感じてみる。

過分ではない甘さがあれば、強い酒もそこで引き立ち、二つの味が出会う
ことが出来るのです。

甘さゆえに一つの味になれない、それはどんなことでも同じかもしれません
ね。

まずは自分の甘さの度合いを確かめ、味を誰かと合わせてみる。
仕事にも生かしてみたい心がけですね。

写真提供：「Ｒｏｕｎｄ　table」ギャラリー通信！どの

写真をお借りしているラウンドテーブルで、おなじみぶん屋さんの展示会が
あります。

「誂えの小間物展　　～ぶん屋の抽斗から～」
12月4日（木曜日）より、12月7日（日曜日）まで