留紺とめこん

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留紺とめこん

留め(とどめ)とは最後のものを表し、これで終わりという意味も
持つ、これは恩師の名前として教えていただいた。

日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦しています。

「留男」と黒板に大書きしてギョロリとした目の先生が私たちを
見る。

入学したばかりの教室はわずかの中学の同窓生以外はお互い知らな
いものばかり、新しい制服も体を固くしてしまう中、ギョロリの先
生は私たちの前に立つ。

「とめお」はな、末っ子のつもりで付けられた名前だがじつは弟が
できてな、そんなことを言って笑わせてくれた。

ちょっと前まで留とか末などという名があったのは兄弟が多かった
先生たちの世代にはよくある名なのだと教えてもらった。

友に「肇(はじめ)」がいて「一郎」と同様長男を表すとは知って
はいたが、留が末っ子を表すというのを知るのである。

一張羅で入学式を終えたギョロリの留男先生は、次の日から一枚き
りの上着を着て教壇に立った。
その袖はチョークで白く汚れており、それは学年が変わりクラス替
えまで変わらなかった。

留さんと呼んだ先生はその袖の白さで記憶の中にいる。


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