淡萌黄あわもえぎ

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淡萌黄あわもえぎ

秋ならば燃えると書けば紅葉の山を想像するのだが、秋萌えるこの
景色がある。
9月からはじまり10月に刈り取られた田の株から「ひこばえ」という
小さな稲が育つ。

秋の春は田の株を青々と育て本来の稲の半分ほどに育ち、小さな稲
穂までつける。これは大いに鳥たちの取り分となる。

それでも秋の次に暑い夏も来ず、ひこばえたちは稲穂を垂らすこと
もなく秋の色に変えてゆく、田にも秋から冬が忍び寄る。
そして鳥たちも冬の鳥に替わってゆくのです。

田を暖めた陽は傾き、風は温度を奪っていきます。萌えから冬に晒
されて短い秋の春は終わっていきます。

田は緑の移り変わりを教えてくれます。
秋の枯れはまた春の萌えを約束してくれる。土に埋まって春を待つ
もの、畦に埋まって春を待つものに約束をして冬を迎えるのです。

淡い陽が田に降り、わずかの緑を残して来年につながります。
冬くればまた春待つ時間がはじまる。
過ぎてしまえば、あとは待つ時間をカウントダウンしてゆく。
それを楽しみと思うのです。


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