墨すみ

カテゴリー │色字典

墨すみ

ある番組で職人が墨を練るのを見た。wikiでは菜種油やゴマ油
の油煙や松煙から採取した煤を香料と膠で練り固めた物とある。

日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦してい
ます。

真っ黒な煤(すす)をとり膠(にかわ)で練り固める様子は
機械でもできるのだが、その職人は手で練っている。
墨を鍛錬し何度も何度も力を入れて練ることであの墨が出来る
のである。

汗と煤で職人は真っ黒になって働いている。

墨は真っ黒なだけでなく深い銀色の塊である。黒ではなく墨で
あるものは練りに練りを重ねた結果である。
その表面は光り値打ちのある深さとなってゆく。

お坊さんの着る袈裟は墨衣、それを着て修行を重ね重ねしてゆ
く、小僧であったものが修行を重ねるうちに心練られて私たち
のゆく道を示してくれるお坊様となるのです。

絵の具を楽しんだ小学生の頃、色と色を混ぜることを知り楽し
みを知る。色を混ぜて別の色をつくれば絵も深めることができ
る。

ただしたくさんの色を混ぜればその結果は墨となる、真っ黒な
色には全てが含まれているのです。

真っ白な朝陽のような画用紙にさまざまな色をのせて描く絵に
上手に色を乗せれば表現することができる。

けれども考えもせず色を重ねればその色は闇のような黒となる。

ギュッギュッと練り続ける職人は顔も体も真っ黒になる。
その結果練り固められた墨はまた絵の書の素となる。

全ての色が含まれる墨で描いたものに色を見つけることがある
のは私たちがそこに描いた人の心の色を見つけるからなのです。


同じカテゴリー(色字典)の記事
カーマイン carmine
カーマイン carmine(2012-03-12 09:19)

鉄色てついろ
鉄色てついろ(2011-03-16 09:31)


 
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
墨すみ
    コメント(0)