優しき世代

カテゴリー │音楽夜話

優しき世代

放課後の美術室は、実質的な軽音楽部の部室のようになり、ギターを弾く
フォーク好きが集まる。

女子がリクエストするのは決まって美しい恋の歌。
そんな一曲が”22歳の別れ

かぐや姫のナンバーを解散後、正やんこと伊勢正三さんが猫の大久保一久
さんと結成したデュオ”風”でレコーディングした曲でした。

神田川をリアルタイムで聞いた我々の世代は「優しき世代」、今の世のように
勝ち、負け、ディベートの時代とは違っておりました。

神田川で「ただ、あなたのやさしさが怖かった」と歌われるように、恋も別れも
相手を思い、身をひくような世代でありました。

やさしき高校生たちが、少し照れながら歌詞を読んで好きになったのは、みな
やさしき心の歌、22歳の別れもその一つでした。

かぼそく、ささやくように、4畳半サイズで聞かせる歌は、目の前にいるただ一
人の人に聞かせる歌であり、多くの前でマイクで聞かせる歌ではありません
でした。

どの時代の歌も、歌詞を読み、共感して、生き方に反映させています。

やさしき世代は、俺についてこいとは言わず、遠くで幸せを祈っているような
生き方をする。

高校生がとても大人に思えた22歳の心を歌い、その世界のやさしさに憧れる
そして、いつしか22歳になり、その歳を越えてゆく。

そして今はもう50歳を迎えようとしている。

今の22歳はどんな世代なんだろう、この曲を買いに行けば、「22歳の別れ」
のホウでよろしいですかなどと言われるのかもしれない。

やさしき世代はYouTubeで懐かしき旅をする。

僕らはあの時代を生きてきた。

「あなたはあなたのままで変わらずにいてください」

一人、正やんの歌にハミングでハモってみている。


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この記事へのコメント
イチローさん、おひさしぶりです。

はるか青春の日々が蘇る、かぐや姫、拓郎、陽水。

私にとって、その中でも「なごり雪」、「22才の別れ」、「加茂の流れに」

この3曲は特別な曲なのです。

今度、COACHさんの歌を聴きにNANDEモールでも行きませんか?
Posted by まこちゃ at 2007年02月11日 02:10
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