2007年04月12日08:15

春野のお山のふもとの村の、小さな小さな田んぼの中で、ピンピンと足を出し、
ピンピンと手が出た小さなおたまじゃくしがおりました。
おたまじゃくしは目が横についていましたから、田んぼの中をヒロヒロと泳いで
おりましたが、手や足が出たおたまじゃくしの目は次第に上を見られるように
なりました。
そこで、おたまじゃくしは楽しげな空や空まで続きそうなお山を見て過ごしてお
りました。
「あのお山の上はどうなっているんだろうな」と思っていましたし、雨が降ると、
冷たい水がザアザアとお山から田んぼに流れこんできましたから、おたまじゃ
くしには、お山のてっぺんに興味があったのです。
朝の田んぼや杉の木あたりから、ふわりと産まれた雲はお山のてっぺんをめ
がけてふわりふわりと登っていきます。
いつの日か、あのお山に登ってみようとおたまじゃくしは考えていたのです。
ある日、おたまじゃくしは今までスイスイと水を泳いでいたしっぽがなくなって
いるのに気づきました。
尻尾がなくなった替わりに、体はふわりと水に浮くようになっていました。
おたまじゃくしは小さなカエルになっていたのです。
小さなカエルは田んぼのきわの石にしがみついていました。
もちろん、お山がよく見えるところに、よじのぼってみたのです。
うれしくて「ゲッゲッゲー」と歌っていました。
お山に行けると、ゲッゲッゲーと歌っておりました。
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お山の五すけ
お山に登ったアマガエル≫
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春野のお山のふもとの村の、小さな小さな田んぼの中で、ピンピンと足を出し、
ピンピンと手が出た小さなおたまじゃくしがおりました。
おたまじゃくしは目が横についていましたから、田んぼの中をヒロヒロと泳いで
おりましたが、手や足が出たおたまじゃくしの目は次第に上を見られるように
なりました。
そこで、おたまじゃくしは楽しげな空や空まで続きそうなお山を見て過ごしてお
りました。
「あのお山の上はどうなっているんだろうな」と思っていましたし、雨が降ると、
冷たい水がザアザアとお山から田んぼに流れこんできましたから、おたまじゃ
くしには、お山のてっぺんに興味があったのです。
朝の田んぼや杉の木あたりから、ふわりと産まれた雲はお山のてっぺんをめ
がけてふわりふわりと登っていきます。
いつの日か、あのお山に登ってみようとおたまじゃくしは考えていたのです。
ある日、おたまじゃくしは今までスイスイと水を泳いでいたしっぽがなくなって
いるのに気づきました。
尻尾がなくなった替わりに、体はふわりと水に浮くようになっていました。
おたまじゃくしは小さなカエルになっていたのです。
小さなカエルは田んぼのきわの石にしがみついていました。
もちろん、お山がよく見えるところに、よじのぼってみたのです。
うれしくて「ゲッゲッゲー」と歌っていました。
お山に行けると、ゲッゲッゲーと歌っておりました。
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お山の五すけ