風の伝説

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風の伝説

風の谷はオーストラリアのカタジュタの岩群をモデルとして書かれたと言います。

こんばんは、今夜の音楽夜話は「風の伝説」をおおくりします。

静かに降る雨も詩情がありますが、時にして今晩のような嵐の雨もある。
同じように空気の流れである風は「そよ」と頬をなぜる時もあれば、吹き荒れる時
もある。

ましてやカタジュタの岩群に立ち、吹き抜ける強い風を感じればどうでしょうか
確かに「風の谷」がそこにあり、荒涼とした世界に生きるのは小さな人間たちと自
然なる風だけだろうと思うのでしょう。

宮崎作品ではフィクションでない自然をモチーフにしたものが多くあるそうです。

深夜守られたる家にいれば、窓ガラスの向こうの自然を気にすることなく過ごす
ことができる我々ですが、かつて家は木と紙でできていた。

窓はなく、障子のみがはまり、雨戸だけの家だった頃には人は自然に近いところ
に住んでいました。
怖い夜の闇からそれでも木と紙の家は守ってくれていた。
風は、大いなる嵐の予兆として家々に吹き、人は体を寄せ合って嵐が吹き過ぎる
のを待っていたのです。

我々は風を音としても表現してきました。「ヒューヒューと冷たい風を」「ゴーッゴー
ッ」と嵐の風を、「ビューッ」と強く吹きすぎる風を伝えています。

音楽家にとって、風の伝説というテーマは自然の大きさを音にする作業でした。
静かに、そして激しく吹く風を我々は久石譲さんによって聞くことができます。

腐海は、我々が恐れる自然破壊の環境です。
迫る腐海を畏れて、人々は寄り添って身を守る家に住みます。
果たして人は、壊された自然環境の中で生きることができるのでしょうか

我々が無関心なら、きっと訪れるのだとこの物語は教えてくれます。

その谷に風が吹く様子を久石さんが表しています。

風の伝説」お聞き下さい。


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