お前だけが

カテゴリー │音楽夜話

お前だけが

今日も風、そして冷たい雨。

18歳と20才のフォーク青年たちは、まだ恋愛前期で、恋の歌をう歌うのが好き
で、それぞれの憧れた愛し方の歌を探しては歌う。

フォークソングは決して明るい恋ばかりではないけれど、青年たちの心にどう愛
せばよいのかを教えてくれました。

こんばんは、音楽夜話の時間です。

「風」というデュオが歌う歌は飄々としていて金もなく、どこか風に吹かれて生きて
いる青春に似合います。

責任とか、家族とか、仕事とかに束縛されない薄い胸で細い足、長い髪の青年
たちは歌を通して生き方を探していて、新しい歌に出会うたびに道が開けるような
気がしていたのです。

相棒の彼は二つ上、同級生の子とつきあっていて、東京から帰ってきた年にいよ
いよ結婚ということになりました。

思えば彼女とより毎日一緒に歌っていたから多くの時間を過ごし、少しだけ挑戦
もしていた二人のことを彼女はじっと待っていてくれた。

時に青年の友情は彼女より大切なものになり、格好よく言えば女を待たせた。
そんな彼もようやく彼女と結ばれることになったのです。

結婚式は我々のデュオを知っている大勢の彼の僕の友人が来ました。
席に着けば司会が寄ってきて、「歌を」と言う。
彼のギターがそこにあり、相棒と新婦となった彼女が上の席にいる。

たくさんの恋の歌を知り、恋への憧れを歌っていても、いざという時には迷ってし
まう。
その時、ギターを借りて立ち、思い出したのが一度も二人で歌わなかったこの歌
でした。

高校の同級生からの長い恋を実らせて結婚する二人のはなむけは、彼が僕との
歌の時間に裂いてくれた時間をわびながら、彼の本心を代わって歌う歌でした。

今晩は「風」の”お前だけが”をお聴きください。

一昨年東京で彼の家を訪ねると、髪を伸ばした青年がいた。
僕らのあの頃と同じ歳になった彼の息子さんでした。

ギターはやらないという。 僕らは窓辺で少し遠くを眺めていたのでした。


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この記事へのコメント
こんにちは。
MCしま~さんに、イチローさんのブログで、私の好きな歌を流して下さっていますよ。と教えて頂き、飛んできました。
24年前に、この曲を何回も私に聞かせてくれた慶応BOYがいました。
素敵な歌だなと思い、今でもよく口ずさんでいます。
そこで、いつも私のブログに訪問して下さるMCしま~さんに思い切ってリクエストしてみたというわけです。今度、お友達とお誕生日コンサートも行くんです(*^_^*)
Posted by TANA at 2008年01月23日 00:34
TANAさん、コメントありがとう。
僕もたくさんの思い出を持っている曲です。
これを聴かせてくれたのは彼の思いだったのでしょうね。
僕も久しぶりに聴いて、心熱くなりました。MCしま~さんにも感謝いたします。
Posted by イチローイチロー at 2008年01月23日 09:47
こんばんわ。お二人の素敵な会話に感謝です。

この様な「繋がり」がブログの素晴らしい事かと思いました。

御両人とも今後も宜しく御願い致します。
Posted by MCしま~MCしま~ at 2008年01月23日 21:50
MCしまからさん、ご紹介とご案内ありがとうございます。
歌はみなを結びますね。しま~さんと2008年ジャンボリーの計画を応援いたします。
Posted by イチローイチロー at 2008年01月24日 02:13
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