遥かなる粟ヶ岳

カテゴリー │茶ばなし

遥かなる粟ヶ岳

遠くから眺めればお茶畑が山裾から段々に続く様子は美しいものですが、実際に
お茶畑に”登って”みるとお茶を育て、摘む作業の大変さがわかります。

5月2日に、深蒸し茶の里東山のお茶農家の皆さんの茶摘を取材すると、山の上
の茶畑に連れていってくれました。

東山の茶畑は粟ヶ岳の裾野に広がっていますが、慣れないものには余りの急傾
斜に驚きます。
お茶の木を守る為に敷き詰めた下草が足を滑らせますから、地下足袋が一番。
ズック靴で行きましたから、登るのにつかむところもない傾斜は怖いものでした。

額に汗をかいて登った(本当に登ったのに近い)茶畑には爽やかな風が吹き抜け
ます。
そこで茶摘みを見れば、どこの茶畑でも見られるすばらしいものに出会うのです。

カマボコ型に整えられたお茶の木は、二人で支えあう茶摘機で刈り取られます。

カマボコの片面づつを刈るには細い茶の木の間を夫婦が茶の若葉のみを刈るよ
うにバランスをとって進みます。

ひと畝進めば摘みとった葉を収穫した袋を外し、新しい袋をつけてもう片面を刈り
ながら戻ります。

夫婦は阿吽の呼吸で進んでいきます。

山の裾の急傾斜、お茶摘む夫婦が収穫するものは、お茶だけでなく阿吽の呼吸
で育てた愛情でもあるのです。


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