ひとりぼっちのメリー

カテゴリー │音楽夜話

ひとりぼっちのメリー

マンドリンの音色はどこか牧歌的でせつなく、弦の震えがそのまま心を
振るわせてしまうのです。

懐かしい歌、少し淋しい歌、たとえ歌詞がわからなくともマンドリンの音と
ともにドラマの中に落ちていってしまうのです。

こんばんは、音楽夜話の時間です。

今はもう貧しい人などはおらず、誰もが中くらいの幸せの中に生きる。
食べられないこともないし、欲しいものも少し我慢すれば手に入る、そして
なによりどんな仕事にもつくことができるのです。

この歌はまだ世の中が貧しく、食べることに精一杯だった頃の歌なので
しょうか、一人ぼっちの少女のことを歌っています。

宿命という言葉があります。人が生まれながらに背負っている星のもと、
決められてしまったかのような運命に嘆き、変わることなどできないと思っ
て仕舞う心でいれば、宿命に負けてしまうのです。

たとえ一人ぼっちの今があっても、声をかければ人は振り返り、手を差し
述べればそんな自分でも手を貸してあげることもできる。
そうすれば、もう一人ぼっちではありません、一人ぼっちとは、自らの心に
閉じこもってしまう心のことを言うのです。

メリーはトレーラーで生まれたひとりぼっちの少女、歌ははじまりますが、
メリーはきっとたくさんの人に出会い、助けられ、助けて育っていったの
だろうと思うのです。

マンドリンの震えは小さい頃のメリーの心を表します。

アート・ガーファンクルの歌声は、一人ぼっちで始まりますが、曲とともに
メリーの将来のように、多くの心のハーモニーがかぶり、メリーを一人に
はしないのです。

宿命などという言葉は、永遠に若く行き続ける人には似合わない。
マンドリンの音は、震えながら二つづつの弦が響きあって奏でられてい
るのです。

こんばんは、アート・ガーファンクルで「ひとりぼっちのメリー」をお聴き下
さい。

たくさんの人の中で生きれば、誰でも一人ぼっちになりたい時もある。
でも、それはたくさんの人の中で愛されている自分だからできるのです。


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