令・淑・紳士

カテゴリー │シトロエンC6

令・淑・紳士

深く座り、腰をハイドラクティブサスの”たゆたう”感覚、我らの名づけた「フネフネ感」
に任せていると、外の景色の流れを別な次元で眺めることができる。

C6は決して気密が高いわけではないのに、「静かな語り」必要なら「ささやき」も聞き
のがさない空間を持つ不思議さを持つ。

「自然なる空間」とは外界と隔絶した気密空間を指さない。
「静か」と「語りあえる空間」とは別物なのだ。

風が強い日には遠く風の音を聞きながら、雨の日ならば通り過ぎる車があげる飛沫
の音を聞くのが”自然”であり、車という移動手段の環境である。

それでいて、「ささやける」のがC6の持つ空間である。

後席の居住性の良さは既に書いたが、前席横のドアヒンジを持つBピラーまでの距
離が絶妙で、後方に扇状に下るデザインの妙で、後席の窓が”ある演出”をする。

降りてくるライン越しに眺める外界とC6の後席シートは微妙な感覚で遠く、守られて
いる。
さらに言えば、後席に乗る者を演出するデザインなのだ。

冗談まじりに「皇室挨拶」と書いたのは、それを感じたから、できるなら運転せずに、
いわゆるショーファードリブン(運転手に運転させる)になりたい。

それなりの演出ができそうに思う。

多くの車は後席を考えつつも、オーナーに買っていただくために前席優先となる。
運転席からの景色をよいものにしたいと思うのは、商品であるかぎり間違いではない。

されど、この後席の居心地のよさはなんだ。

この席に座る人を想像すれば、「淑」や「令」を思う。

淑女、令夫人用の席とするならば、181cmの私が座るよりはるかに似合うはず。

シトロエンのフラッグシップは、真の紳士の為の車。

令や淑をお招きするのは紳士の仕事である。700万ほど、つくしてみるべき車な
のである。
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この記事はシトロエン浜松”フジオートステーション”の山下さんのご厚意と、
ランドマーク・プランニングemuさんの声かけで行った試乗記より。


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