田町Bi-ist登場

カテゴリー │ストリート



昨年の11月30日、友人のアンナたちを撮影に浜松の肴町の角に立っていた。
じつはここからプロジェクト「Bi-ist」が始まった。

アンナはヘア&メイクの美容家で本人に言わせれば女扱いされないと言う。
「お前」扱いされて男たちとつきあうから「オトコマエ」なる彼女らをテーマに撮
ろうということになった。

2月に開店予定(当時はまだまだ何も決まっていなかった)の店のプレゼンに
使おうという写真はストリートのオトコマエたちなのだが、寒い日に汗をかくほ
どの時間となりました。

街を歩く3人、アンナの店のスタッフは別の2人なのだが、親友二人との息は
ぴったり、記念写真など嫌いだから街の中を闊歩する写真を撮っていた。

このアンナの店が2月24日(水)に浜松田町にオープンする。
毎日電話がかかってきてますますオトコマエになっていることがわかる。
エネルギーをもらえる電話は大歓迎で、問われるままに仲間を紹介し、アンナ
の開業準備スタッフに加えた。

Bi-ist(ビ・イスト)という名前はアンナの大切な大切な人が名づけた。

野獣(ビースト)とも印象づける名前、果たして美女をつくる野獣たちはどんな
展開をするのかと期待している。

アンナはイメージどおりに歩く、11月から何回か「ストリート」カテゴリーで彼ら?
を書いてみた。それは肴町で撮っている。

アンナの店は田町、我らの世代ならばかに道楽や太陽がある交差点の角に
ある相曽ビルの4Fで交差点から見上げる位置にある。

アンナを焚きつけてバンバンPRしようぜ!と言う。
あと一週間、楽しみが続く。また田町で彼ら?を撮ってみたい。


 

カッコよく!

カテゴリー │ストリート



昨年の11月30日、集合は浜松の肴町の大安寺通りの角、彩画堂の裏手のたった2台
のコインパーキングに車を入れてオトコマエたちを待っていた。

「写真を撮るならストリートだよね」とアンナは言い、仲間のヨーコはハーレーでチカゲ
は配達車で駆けつけると言う。

そして”カレら”は鍛治町方面から肴町にやってきた。

これがアンナたちとの出会いとなり、その写真を使ってアンナはブログをはじめた。

カッコよく!私のモットー 仕事は真面目に

一部の様子はカテゴリーに”ストリート”を作って納めておいた。

オトコマエというのはアンナたちを指す言葉で彼女流に言うならば「やるときゃやるよ!」
と言うことになる。

実際のストリート撮影はまだ午前中で眠っている肴町を全面に使って行った。
ストリート、階段、ショップの壁、露地と街には最近の”シティ”などにはない場面が
あるのです。

ドドドッ、ドクドクドクと心拍そのもののビートをあげるハーレー、11月末にオープンに
したゴルフカブリオレ、道路の中心に立って待ち構えてオトコマエたちが迫るのを撮る。

何がはじまったんだとショップから顔を出す人を尻目にカタカタカタと音を立てて連写
していた。こういうのはじつに楽しい。

写真はピントなのだが、少しヒントを与えればカレらはアクションする。
撮られたことなどないと言うのに、自分らしくふるまいそれを記録してゆく。

ストリート撮影はウォーキングが大切なのだが、大安寺通りを下っていこうと言えば
三人は見事に歩き振り返り、組となりまた離れてシャッターチャンスを作る。
瞬間を撮るのが写真だからこういう撮影は大歓迎と汗をかいていた。

アンナのブログの写真を変えてみた。あれからヨーコとも会ったのだが、メットで鉄馬
の印象が強くて見間違えて丁寧に挨拶すると笑っていた。

「わたし、わたし、ヨーコ」

次は田町のコーナーで撮ろうと話が来た。寒い中をくるくると歩いて空気を感じて
みた。

また来週、オトコマエたちは終結し、コインパークに車を入れて田町に向かう。
ドドドッツドクッドクッとやって来るヤツらを迎え撃つ。

また楽しみが始まる。


 

風のまた一郎

カテゴリー │ストリート



「またね!」 それぞれの愛車に鉄馬に乗ってオトコマエたちは去る。

平日に都合をつけられたのは午後の一時間、撮影が終ればまたON
タイムに戻りそれぞれの仕事に向かって行く。

アンナがブログを開設し、「カッコよく!やるときゃやる」というタイトル
を聞いた時に思い立った初期プロモーションは三人の写真撮りとな
った。

街は不思議である。普段どの道も通り過ぎていたはずなのに、三人
と小一時間ほどそこに立ち歩くだけでグッと迫って来る。

まるで何十年か前に絶好調だった高校時代に戻って懐かしいBeni
の前に立てば、同じ店の前に立つ不思議を思い、ぐるりを見上げれ
ばここが自分の街であったことを思い出す。

立つだけでこのロケーションの匂いを思い出すのです。

その街が「さみしいら」と遠州弁ネイティブのアンナたちに言われたら
それはやってみましょうと言うことになる。
街を語るならば、まず街を歩いてみよ、感じてみよなのである。

中心市街地という言葉が使われるとき、そこは商業の陥没を伝えら
れる時である。
ところが、連綿として続いてきたこの街の文化はそれぞれの世代の
中に生きている。
キラピカで常に真昼のようでアッケラカンとしているような巨大モール
などにはない角があるのだ。

街角という言葉だけはモールには存在しない、いずれまた次の時代
のモールにとって変わられるだけの虚構には存在しえないのである。

街と人は生きている。そしてその街に立てば人は活きてくる。
朝があり昼があり活性をあげる夜があり、店みせに灯りが灯り、光
と陰がなければ街角とは言わないのだよ。

長く続けてきたアンナたちとの街角をこれで終える。
次の機会、また露地を歩いては、決して陥没などしていないゆるやか
な坂の町浜松を撮りたい。

ある人が言う、坂を見上げたら上がるのが大変だと思う。
ところが坂の途中から上ってきた坂を振り返ればこれだけ上がって来
たのだと思うことができる。
坂を感ずるならばどの位置で感ずるかが問題なのだ。

オトコマエたちは坂の途中に立ち、活性をあげて坂を上がってゆく。
サカアガリにエンジンを吹かしてゆく。

ヨーコがハーレーの上に「ヒョイ」と立った。

アンナのブログのアドレスは http://bonbonbon.hamazo.tv/という。

「bonbonbon」、なるほどね。ハーレーの鼓動とシンクロしている。

「行け!」と思いながら風の中「また!」と一郎はパーキングに向か
った。


 

風の街

カテゴリー │ストリート



風の街という歌が流行った頃がありました。

街には特有な匂いがあり、その匂いが薄まれば人集まらない街となる。
人は敏感にそれをかぎつけてしまうのです。

「髪の長い女だって?」というセリフの陰にも街の匂いがある。
街は人である。人が集まるところが街である。その街には人が溜まる
スクエアがあるのです。

その為に必要なものがあります。空をルーフにしたクルマと体を街に晒す
ことができるバイクです。

オトコマエたちには街の匂いが似合います。
それは街を楽しむことが街の匂いになることを知っているからです。
歩く人の中に音とオイルの匂いを加えながら街角を構成するのです。

かつて私たちは街を構成する為に出かけていましたが、今はクローズド
の移動手段で通り過ぎるだけとなりました。
部屋にいるより快適な空調をきかせた中に納まり、街の風はその殻の
外を吹きすぎるだけとなりました。

「もう一度元気にしてみようよ」と言う人がいることが街に匂いを吹き込
んでゆく。
不思議なほどに郊外の道より通りすぎやすくなった街は新たなスポット
になりつつあります。

「街を小粋にすることが大事、小生意気じゃなくてね」とアンナたちは
言う。

階段の上で街を吹きすぎる匂いをかいでいた。
我らの街を構成する人となって匂いにカメラを構えていた。

協力:カッコよく!やるときゃやるよ


 

トリはチカゲ

カテゴリー │ストリート



浜松肴街の角、メルローズとBeni、メルカート辺りで撮りましょうと集まったオトコ
マエ達、わずか一時間程ながら露地裏に入りこんだりストリートを歩いたりと熱い
時間を過ごした。

一人ひとりで撮ろうかと少し遅れて参戦のチカゲ撮りとなる。
初対面の緊張はよいもので、話をしてみなければわからないところに迫れるか
などと一人カメラを構えてみる。

三人勘女でも書いたように「勘」働きのよいオトコマエは撮りやすい。
写真はカメラが意図するものより、意図されたものを残すこととなる。
忙しく働くオトコマエの一人は店の配送トラックに乗って現われ、その前に立つ。

ざっと数十枚を見渡せばどの表情もチカゲらしくもあるし、違っても見える。

じつはこの後に「睨み」を撮った。ジツニチカゲラシイのだが一枚選ぶならばこれ
を選んでおく。 「睨み」の後には「不服」も撮ってみた。それがラシイナと思った
のだけれどね。

テーマはトリである。その辺は気づいていただきたい謎である。


 

路地裏のアンナ

カテゴリー │ストリート



いわゆるファッション写真じゃないものを撮りたいね、アンナと話してわずか
1時間だけ集まって撮った写真を掲載している。

アンナも告白しているけれど、アンナとはノリでつけられた名前でカメラから
言えば三人とも街のアンナである。
バリッと働くオトコマエたちのことである。

最近流行なのが街を人で興す手法、それも”美少女”という核弾頭を使う。
若さとはあらゆる可能性であり、現在の光である。
そこで浜松のアンナたちに「浜松美熟女図鑑かい」と尋ねれば「ノー」、

アンナとは「オンナ」を表すのではなく「活性」である。「街の元気を私たちで
伝えるのさ」というところである。

大人とは少年や少女の行く末ではない、誤解を恐れずに書くならば人生で
得たオプションたっぷりな者を言う。
経験や知識を得て暮してきたものの厚みを美しいと思うこころである。

街は熟成すべきであると考える。

軽いものもありながら私たちが老舗に惹かれるように続いてきた積み重ねて
きたものには敬意を感ずる。
人も同じである。

軽い話題で済ますのが風潮である中に、熟成されたエスプリの一言を交わす
会話ができることは相手を選ぶのである。
街は若さのエネルギーの発散場所ではあるが、ある店のとまり木には洒落
た会話を交わすものたちがいてしかるべきである。

街の毛細血管である露地を行く、ストリートは大動脈であるけれど、大人に
なると毛細なる露地に目をやることができるようになる。

アンナに言わせれば「あの街のざわめき、人のパワー、あの国で生きてる人
の生き様、下手をしたら飲み込まれそうな闇」である。

いつまで続けるのと言われればいつでもやめられる。
まだこの話は続けようか、どうしようかと考えながらの日曜である。

協力:カッコよく!やるときゃやるよ!


 

ウォークドントラン

カテゴリー │ストリート



浜松の街はゆるやかな坂の町でもある。

三方原が迫るところにある浜松城からゆるやかな坂が駅まで続いてゆく。
そこに浜松の街は発展してきた。写真を撮ろうとするとこの高低差(多分に
ブラタモリ=タモリ氏の高低差好きが影響)に気づいている。

肴町を北上し大安寺通りに右折すると有楽街にゆるやかに下ってゆく坂に
気づきます。
露地で撮ってきたオトコマエたちはこの道を闊歩する。

街を闊歩する者ほど生き生きとしたものはありません。
どの時代も街は支配する世代たちのものではありますが、その支配した者
たちに受け継がれてきた。

ストリートにはそれぞれの短い歴史を積み重ねて今に至っています。
どの通りにどんな店がある。この話もそれぞれの時代の話では異なります
が、どの店も同じ通りの違う時間にあるのです。

ある建築リフォーム会社の方に肴町の店のリフォームの苦労話を聞きまし
た。床を壊すと予想した通りに歴代の店の基礎や床面が出てきた。

それを壊すのに苦労したという話、おそらくその下にはまだまだ歴々と昔の
店の形跡が埋もれているのだろうと言うのです。

オトコマエたちは歩きます。どの時代の思い出も埋まった同じゆるやかな坂
を歩きます。

「私たちの街、元気だせ」というメッセージを伝えているのです。

協力:カッコよく!やるときゃやるよ! 


 

街中ISM

カテゴリー │ストリート



アンナのダンナの店のソファで撮影した写真をパラパラと見れば、これいいよ
ねと言われたのはおなじみのヨーコのハーレーがゴルフカブリオレを先導して
走ってくるこの姿。

後ろのCOMME CAのポスターが効いていて後ろに肴町の昼間のメイン車両
である納入トラックが続く。街灯が点くまで昼は閑散なり。

「Beniの角でね」と約束したからインターロッキングを敷き詰めた通りの真ん中
に陣取っていると想像通りの現われたをした。

「ハーレーにはナローとワイドがあってね」と連尺のBOSSに後に教えてもらう
のだがこの狭い幅のハンドル(フォークというのか)を持つハーレーは美しい。
ハンドルを変えたばかりのヨーコのバイクのデビュー戦はかく始まった。

「組」でとる写真は楽しく、それぞれの個性が合うことで面白くなるのだが、オト
コマエたちそれぞれが存在感があるから、個別撮りをすると「キッ」と見据えら
れる。(特にチカゲ視線の存在感ときたら)

「オンナ嫌いなんだからな」と言えば「オトコマエだから平気」といなされて通り
に立てばもうそこでは退くものでなく、惹くものを撮るのココロだけなのだ。

あれから数日、露地ばかりを探している。
今朝も千歳の通りを旅籠・平田町側の通りから覗き込んだ。

街は街灯で化粧する。化粧っ気がない街の楽しさを探している。千歳の通り
はゆるやかにカーブして北を見通せない。

通りすがりの男などにその全容を見せるほど安くはなく易くもないのだ。

協力:カッコよく!やるときゃやるよ


 

英雄と悪漢

カテゴリー │ストリート



浜松は”ポンポン”の町である

ポンポンとはバイクのこと、世代によっては今もバイクをポンポンと言う。
多くのバイクメーカーが生まれた中にホンダがあり、父の世代では創業の本
田さんの店を今もよく覚えているという。

ゆえに浜松ではバイクを愛する気風がある。

ときにこのところ紹介させていただいている浜松のオトコマエたちをご覧に
なってブログ仲間である”ツルゲネフ”さんからコメントをいただいた。
”ツルゲネフ”このHNの秀逸さで男たち(優しきおじさんたちなのだ)が集ま
るという。

かつてブログタイトルに秀逸なものがあって紹介したいのだが彼女は今は
静岡、また機会がありましたらとしておきましょう。

さてそのコメント返信でAKB4という言葉を使ってみた。まるで世代ではない
から聴こえてくるだけで本家本元はまったく知らないのだが、AKBという音
の良さを好んでいる。
ちょっとウェポン的、例えればロシア製の軽火器のような略称に感ずる。

さて三人のオトコマエをAKB3とするならばなんの略称にしようと考えれば
これは「アッカンベー」ではないかと考え、「悪漢ベエ」でもある。
なかなかよい思いつきだと考えている。

「英雄と悪漢」とはかつて退廃や若さの心の荒野を歌った甲斐バンドのアル
バムタイトルである。

「僕の青い声はいつの間にか こんなにこんなに枯れてしまった」声で甲斐
は歌う。

AKB3から4へ、町の小粋が活性を創りだす。こちらはそれを瞬撮する。


 

肴町立体ストリート

カテゴリー │ストリート



先日の肴街での撮影は、わずかな時間ながらエキサイトした時間となった。
”三人の活性”が街を席捲してどの街角も賑やかにする。

並ぶショップの皆さんも顔を出して”浜松の活性”を見つめていた。
活性とは建物や商品ではなく”人”ですゾ。

コンクリートの色に鮮やかな壁面、そこに”進入禁止”の標識が面白く、
「ここ、ここ」と促されるままに写真を撮れば、そこには一方通行ではなく
三叉路をスクランブルして会話するオトコマエたちがいる。

会話とは差し向かいでも隣り合ってするのでもなく、立体的に交わすこと
もできる。数十秒、わずか1分ほどの中での会話が表情を変化させどっと
笑いが出る。

何十分も人と話をしないだとか、一日中ひきこもってしまうという時代に
活性があるオトコマエたちは何十回、何百回も会話をする、それが街の
空気を作ってゆくのだ。

全員が仕事着のプロたちである。企画は街角での集合だけである。
徒歩でバイクで集配用のトラックでかけつけて出合ったわずかな時間で
ある。

短い間にいくつものエピソードをつくり、またそれぞれの仕事に戻って
ゆく、「やるときゃやるよ」とアンナは言い、またやろうねと去ってゆくので
ある。

アンナがブログを開設した「カッコよく!やるときゃやるよ!」、まんまである。

アンナ、ヨーコ、チカゲの活性に汗をびっしょりかいていた。


 

ミチコ・ハママツ

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男ならば「前略道の上より」がアリなのだがオトコマエなオンナならどうしようと
考える。

無いものならば作ってしまえと「道子=ミチコ」などと考えてみて、子供はどう
するんだと考えて「路子=ロコ・ミチコ」などはいかががな。

「道」がつくものは「行き方」に通じている、柔道・剣道・合気道に空手道・などと
武道が並び、華道・茶道などがありまして書道(最近書道ガールズという名をよ
く聞くのだが)を忘れずに入れておきましてに陰陽道などとおどろおどろしいも
のも道の一つである。

弓道を忘れちゃあいませんかということで全ての道は求道する修行がつきもの
であります。
道がつくものは一生極めることができず常に求めて精進するというものであり
ます。

道に立ち、下を見てあるけば犬でさえ棒に当たると言いますが、なにか拾おう
なんて魂胆では道は歩けず、やはり胸を張り上を向いてあるくのが道であり
ます。

さてオトコマエたちの写真を撮ればほら、上を向いている前を向いている。

ハママツのミチコたちは何かやってくれそうですゾ。

さて私たちも道をただ歩くだけではいけません、闊歩する。これが大切なので
あります。


 

Mrsバイク

カテゴリー │ストリート



「バイクは初めてでさぁ、どう撮ってよいのかわからなかったよ」

そう言うとバイク乗りでもある連尺のBOSSこと哲ちゃんはバイク雑誌を開いて
教えてくれる。

「ほらね、右側にエンジンやエアクリーナーが見えるんですよ」

「ビーーーンビビビーーン」と走るラッタッタのオーナーにかつてなっただけの
男は「ほうほう」と雑誌を見て感心する。何も知らないんだな自分は、なるほど。

バイクは右手前に撮れば美しく撮れずはず、また一つおりこうになってしまった。

「ハーレーが走ってくるとさ、なんかアドレナリンが出るというかカッと熱くなるん
だよ」

かつて映画の中でバイクが走る音のあまりの大きさにビビリ、(ターミネーター
であったような記憶が)、バイクに乗ることも撮ることにも縁がなかった。

されど、ステッペンウルフの曲を聴き、デニス・ホッパー(のバイクの方がカッコ
いいと思った)を知る世代ならばハーレーの集団がドドッドドッと行けば安楽な
車の中から横目してはうらやましく思っていた。

バイクは「圧倒」である。

オトナシイオトコあたりではチョイと無理である。

「デカイんだから乗れば?」と誘われてもチョイと無理である(などと言い聞か
せるから一生その楽しみを知らないでいる)。

ドドッドドッとヨーコのバイクが心をシェイクしている。

「こら、バイク エンジン止めろ」 ビルの上から声が降ってきた。

デカクテモ、チキンである。 ビビリのカメラをハッシと見返したヨーコに見透か
されたワンショットを留めておくのだ。


 

三人勘女

カテゴリー │ストリート



 「撮ってよ」、「撮ろうか」と始まったアンナとのストリート写真は続く。

NHKブラタモリさながらじつは浜松のストリートにも露地の楽しさがある。
街をメインストリートだけで語ることなかれ、そこに暮す人働く人の匂いが
するのは、編み目のような露地にこそある。

というわけでヨーコとチカゲの登場となる。

仕事も遊びもそして写真だって被写体には必要な要素がある。
それは勘の良さなんだ。

カメラを向けると「やだぁ・・」なんて言われるとカメラは萎えてしまう。
ハイ!ハイ!と声をかけながらパシャパシャとリズムよく撮ってゆくのは
カメラ側ではなくモデル側にじつはその才能を求められる。

勘がいいというのは何にも通じることなのだ。

肴街から有楽街へスルーする細い路地、ここにもタモリさん言うところの
高低差がある、肴街は有楽街より高いところにある。なだらかなる坂に
なっている。

「ここよくない?」、引き込まれてみれば街っ子育ちたちはこんな露地を
よく知っている。

プロであり、生きており、活きているというオトコマエたちは仕事場とも
遊び場ともする街をクルクルと歩いて行く。

今朝は三人勘女としてみたのだが、オトコマエたちは”女”としてもよい
ものか書きながら迷ってしまった。


 

アイツらが行く

カテゴリー │ストリート



ドクッツドクッツと期待の鼓動が高鳴るのは、通りのムコウからアイツら
現れるだろうと予測していたから、ストリートのまん中に陣取り向こうを見て
いると現れた。

ドドドッドドドッと鼓動にシンクロする排気音を響かせてバイクがカブリオレ
を先導してやってくる。
バイクのエクゾーストは心を高鳴らせるパーカッションのリズムである。

下町のストリートが好き、待ち合わせた角はコーヒーのBeniの角、高校時
代から通いなれた街角に立ち、2台が近づくに連れて腰を下げてゆく。

今日はオトコマエなオンナ達を撮ってきた。
通り過ぎる車、特に配送系の車がひっきりなしに通る街角は浜松の夜の
近づきと共に活性を帯びてくる。

そこにアイツらがやってくる。ドドドッドドドッとやって来る。

オファーはストリートである。テーマは「時期」である。
撮影場所の肴町に合わせて言えば「旬」である。 

人の旬や時期とは自ら作り出す「今」である。スタートであり人の内燃機関
の爆発であり排気音であり、スピードに乗ることである。

いつのまにか熱を帯びて汗をびっしょりかいていた。
「熱」があるものをファインダー越しに見れば目を焼くのである。

露地、それも人が通り抜けるだけの露地を歩いた、撮った。

久々に興奮した。 もうエキサイトした昨晩のボクシングを忘れてしまって
いた。