カツヲ飯

カテゴリー │メシメシ探検隊



この季節、海の肉はカツオであります。

厚く切り盛り上げてガシガシといくのが男らしいのであります。

ショーガにしますかニンニクにしますかなどと聞かれますが、トーゼン!ニン
ニク!にしてしまいます。
パッチンと張り切ったカツオをバラしましてザクッといく。

酒は・・ 飲めません

ニンニクパワーで五月をのりきりまして!
水無月に向かいます。



 

キャディ×4

カテゴリー │音楽夜話



それは遠い遠い昔、現代のスピードでは遠い昔となった20代のお話です。

「手に入れてしまったよ お目当てのあの子を」

時間が果てしなくゆっくり流れている夏の日に手に入れたのは、真っ赤な
車でした。

本当なら真っ赤なキャディがほしかったのだけれど、頭金もなしのローンで
は小さなセダンが精一杯、それでも真っ赤なあの子は中古車店に並んだ
車の中から、ウインクをくれていたのです。

セダンにビッグファットタイヤ、ステアリングをきったままどこかに乗り上げれ
ばガツンとフェンダーを打ってしまうような、中古のファットタイヤをはき、海
に出かけたものでした。

夏の海も、海辺のプールも痩せた胸には眩しすぎて、ドキドキした予感の
中でテラスに座り、周りを見渡していた頃がありました。

いったい人生ってどうなってゆくんだろう、どこで誰に出会ってどんなふうに
暮らすんだろう。

夏のプールサイドでカレーライスとビールをたんまりと飲んでいたのです。

テレビのアメリカの夢は、学校で開かれるダンスパーティ、ちょっとめかして
家の車に乗って出かけるのです。

高校生が免許を持っているのも不思議で、古いアメリカングラフィティカーに
乗り、いかにもアメリカ人って名前の女の子を誘いに行くのです。

もし、そんな出会いがあったなら、楽しみは4倍になる。

何事もおこらずに夕方になったプールサイドで思っていたのです。

すっかり熱くなり、乾いてヒリリとした空気を追い出した車で走り出す。

ポンを飛び出したカセットを押し入れたら、毎日聴いている曲が流れてくる
のです。

今晩・・・まだ夕方ですが、素敵な出会いの夏の曲を思い出してみましょう。

大滝詠一さんで FUN×4 

楽しみを4倍にするのなら、あなたはどんな手を使いますか?

今度テープを浜名湖ベースに持っていかなくちゃ。

今年の夏を変えるんですよ。


 

ベシだべし

カテゴリー │イチロー的ココロ



ほとんどテレビを見ない生活ながら、夕べは偶然に引き込まれた。

NHKプレミアム10「赤塚不二夫なのだ!!」を見て揺さぶられてしまう。

赤塚の作ったキャラクターは今もその影響を「言葉」として大きく残す。
それぞれのキャラクターの語尾に与えたそのイメージが今も書き物をする
と現れて、その度に赤塚の偉大なることを知るのである。

文末に「である」と書くから、お前の文章にはツッコミができないぞ、なんて
言われておりますが、「バカボンのオヤジか」と聞かれればちょっとうれしい
のが、「なのだ」絞めであります。

番組中、「のだ」の効用画分析され、「そうだそうだ そのとおりなのだ」と
思うのは、世界をつくる言葉だから”なのだ”

赤塚漫画は主人公よりサブキャラがひとり立ちして目立つのは、世界を作
るものが決して中心人物に限らないという楽しさがある。

天才バカボンはタイトルとして秀逸だが、登場してくるオヤジのほうが世界
をつくる。
バカボンはボケであり、つっこむのはオヤジだったり家族だったりする。

その世界を認めさせてしまうのは「これでいーのだ!!」というクォーテー
ションマーク付のやさしきオヤジ心”なのだ”

今の世の中、肯定しきるものが恐れられている。

他人とは違うもんねワシなどと思っていても、まずは他人様を観察しようと
するのは今の行き方である。

登場するキャラクターがそれぞれ違う世界を持つから、赤塚漫画の世界が
広がるように、それぞれ同じ言葉同じ考えになってしまえば個性もなくな
ってしまう。

「これでいいんダス」 「これでいいんだべし」 「これでいいニャロメ!」

赤塚漫画が今生まれたら、周りに迎合し、突飛なるものを排除し、差別と
もとられかねない言動に眉をひそめられるかもしれない。

赤塚は今、病院で意識がなく眠っているという。

言い切ることもできず、迎合する世界には生きられなくなった彼が今は
眠りの国から世間を眺めている。

番組中でニャロメが当時を回想する、その横にはケムンパスとベシがいた。

「こんな世の中になったでやんす」

「問題だべし」

それでも、赤塚は全てを包括して言い切ってしまう。

「これでいーのだ!!!」

よくない、よくないと、今度だけは赤塚復活を望んでいるのであるのだ!!

※写真はカルマンギアおじさん日記からお借りしました。


 

その気にさせないで

カテゴリー │車にあ



「日本車じゃなけりゃ ありえないですよね」

電動でオープンになったコペンを覗き込んで友が言う。

精度があり、作りこみがあり、技術を詰め込むことを得意としてきた日本。
子供の頃、スイスの精密機械と日本の技術は小さいものに確実な精度を
持つ魅力として教えられました。

車にもそれは言えて、大いなるフルサイズカーをアメリカドラマで見ながら、
360ccからはじまりトヨタと日産の1リッター、1.1リッターのサニー、カロ
ーラ対決を見ながら、父たちが初めての車を買った頃から車との関係を始
めた世代は、小さく小柄で勤勉なる私たちと同じような車を経験したのです。

技術の進歩は人を安楽にさせ、まさか若き日に親父仕様だと嫌ったオート
マチック車が今のようにほとんどの車をカバーするとは思わなかった。

「就職が決まって髪を切ってきた時、もう若くないさと君に言い訳したね」

若き日と決別して大人になるとは、大いなる世の仕組みと流れに取り込ま
れてゆくこと、ならばオートマチックの車を選んだ時に、少し言い訳をしたこ
とを思い出すのです。

されど、小さい車、それもオープンという小さな小さなカテゴリーの車は誰の
心もまだ少々揺さぶる魅力がある。

大きくて押し出しがよく、パワーを持ち安楽であるという時流とは正反対に
いるから未だに光っている。

「通勤に使うんですよ」というオーナーに、まわりを囲んだ男たちは少し嫉妬
する。

彼は教育関係の仕事をしている。

遠い日の中学校、担任の先生は白いサニースポーツに乗っていた。
エンブレムにはチェッカーフラッグのついたスポーツという文字が光っていた。

「乗っていくか」

先生は家庭訪問に行くその日一番最初の子を乗せて走り去る。

時代のスポーツが誰の心にもある。 

安楽に流されなず少しだけスポーツ心を見せるのは若さか、それとも時流で
いえばちょいワルなのか

小さくてもいい、ちょっと忘れないでおきたい、見下ろすほど小さな車はモデル
チェンジを迎えるという。

大きくなりすぎないように、願いたいのはモデルも誘惑の心も同じである。


 

ムコウの急須

カテゴリー │花ばなしい



一番茶を摘んだ後はお茶の木を深く刈り込んでしまう。

そうすればお茶の木は二番茶の葉に勢いをつける。

掛川の東山、茶文字の粟ケ岳の麓のお茶工場でお話を聞いた。 お茶の摘
み取りは山の斜面の作業で、地下足袋を履き摘み取った茶葉の袋を担いで
歩く。

よいお茶を摘むには斜面で歩く力がいる。たまに行ったカメラなどは腰が砕け
足をガクガクにしてお茶の山を下りて息をつくのです。

静岡県、それも茶産地を持つ我々のお茶のレベルはとてつもなく高い。

海の傍に住み、山もさほど遠くなく、都会から訪れた人がうらやましがる環境
に住みながら、我々は環境を意識しなくなっている。

いつでもある海、松林を越えた海も、わずか30分ほどで着く深い森も意識は
しない、同じように美味しいお茶のおいしさも、緑のその色も特別なこととは
思わなくなっている。

久しぶりに戻った友が新茶の緑を見て、海外にいる共通の友に贈りたいという。

しばらく離れていた彼には美しい緑に淹れたお茶は新鮮に映る。

「ヤツは急須を持っているのかな」、「さあ、どうなんだろう」

急須もお茶の文化である。 とりたてて注目していなかったことに気づく。

「まあ、一緒に贈りますか」 「急須なんて忘れているかもな」

我らよりさらに、お茶の緑を新鮮に思うヤツに静岡を贈る。

海があり山があり、おいしいお茶があり、一番茶を当たり前に飲む国の恵を
思い出させてやりたい。

「いい思いつきだな」、静岡人が同じふるさとを持つ男に贈る 香りの宝石の
プレゼントである。

※写真提供:「Round table」ギャラリー通信!どの


 

リップスティック

カテゴリー │花ばなしい



若い若い葉がファインダーを緑に染める中に、この季節一番の口紅が生まれ
ました。

夏の誘惑、情熱ザクロのリップスティックです。

男たちにとってもっとも不思議で謎めく化粧品は口紅、それは触れてはなら
ぬ聖域にあるのです。

母の嫁入り道具であったという鏡台の小さな引き出しにしまわれた口紅は
甘い匂いのする大人の女性の持ち物でした。

鏡に口紅で書く伝言という映画みたいなサヨナラは憧れの生活の中にあり
ました。

ルルル、ルルル リップスティック 口紅は一文字のレッド、

漂う香りは女性の残り香なのでしょうか

「私きれいになります」と大人になってゆくのです。

勢いを増す緑が支配する公園の森に、ハッとするほどのレッドは熟れて開く
ザクロの誘惑をまだ予感させない若さなのでした。

赤く赤く、緑の森のレッドはおろしたてのレッド。

何歳になっても、男たちは手に取ることのない鏡台の不思議なのでした。

さて、今年の夏はどう誘惑してくれるのでしょうね。

赤い口紅は、少し怖くて、それでも吸い寄せられてしまう色なのです。


 

いい人顔のクルマ

カテゴリー │デキゴト路地



機関車にトーマスがいるように車も人格を持ったキャラがたくさんいる。

二つの目玉はヘッドライト、ラジエーターグリルは口と見なせば車はたちまち
人格を持つ私たちの可愛い相棒に見えてきます。

小柄で丸い鼻を持ち真ん丸目玉のコペン君はとても性格がよく見えますね。

最近のクルマはライトの形がみなウルトラマン化して、プンプン怒っているよ
うに見えるのです。

あっちめプンプン、こっちもプンプン、怒り目で見たらすれ違いも命賭けとなります。

最近は睨むだけでなく出っ張っておりましてデメキンになっております。

世は我々の若い頃とは違い、イケメン、美人揃いでありましてあります。

みめ麗しい皆さんが乗るクルマのが怒り目、睨み目になっている。

弱気な中年は車が近づくと緊張のあまり、先に謝ってしまいます。

どうぞ車を買うならば先からケンカ目の車はお買いにならないよう。

どうせ乗るならば性格がよさそうでご近所付き合いができる車を相棒にして下さい。

コペンくん にっこり!

よい子だねぇ 大きくなっても45度のメガネはやめようね。

はい よい子だね



 

健康管理のお弁当

カテゴリー │メシメシ探検隊



魚を主に食べているんですよ、と言わなくても”のっけメシ”はブログで見て
いただいていて、アドバイスをいただく。

食と健康についてのアドバイザーは、厨房庄屋のお父さんです。

19年も料理居酒屋の「庄屋」を繁盛させた寿司から刺身、煮物までの腕
を請われて今は一番大きな顧客に成人病患者を診る病院をかかえた健康
管理お弁当を届ける仕事をしていらっしゃいます。

座り仕事も多く、写真仕事では外を走り、夜も遅いならば、成人病にならな
いように普段からの食の管理の大切さを教えていただきました。

外に出て仕事をしていれば楽しみはランチタイム、ストレスが溜まれば食べ
過ぎてしまうのが常です。

毎日気にせずに食べていても健康管理ができるお昼が食べられたら、そん
なテーマでお父さんと話しています。

「今度食べにおいで」、「もちろん」

お父さんの健康管理弁当づくりにひと役買いますか!

「かえかえ」

ついでに健康にさせていただきます。 よろしくお願いします。


 

グラスとお父さん

カテゴリー │焼きモノ書き



「お届けものでーす 娘さんからです」

サントリーのCMはいつも大人心をくすぐる。

娘と飲むロック、そして、大人の親父を魅了する 「人生おいしくなってきた」
のコピー、サントリーはCM巧者であるが、見事な呑み心地のCMを発信して
いる。

これなら何杯でもいけるのである。

正直、うらやましいのは、CMの内容か、それともクリエーターにか、おそらく
どちらともである。

ガラスの器を選ぶ時、その持ち重りを感じて愉しむのがいい。

初めてロックグラスを買った時に、それだけでウイスキーが旨くなる気がした
のはまだ飲酒適齢期前の背伸びの頃だった。

お酒とは大人への憧れである。

未だに大人になりきれないから、ずらりと酒が並ぶBARになど行けない。

でももし行けるとしたら「父の上京編」のように呑んでみたい。

グラスはガラスである。 氷はガラスのグラスを鳴らすものである。

心をとろけさせたグラスを持ち、何に乾杯しようか

もちろん一番愛するものにしたい、「人生をおいしく」するためにね。

※写真提供:「Round table」ギャラリー通信!どの


 

わたしサクランボ

カテゴリー │花ばなしい



公園から戻る道、もしやと思い見上げると、春に花を楽しませてくれた桜の
木にははたして小さなサクランボが生っています。

遠い山形から木箱に入れられて届く高級品ではありませんが、もう葉桜な
んて言わせない、立派な緑に育った葉の間にツンツンと顔を出しているの
です。

春爛漫の桜は、みごとだみごとだと褒められます。
葉桜になれば風情があると喜ばれます。

けれど6月を迎える今、公園のまわりの桜は見上げることを忘れられてい
たのでした。

かわいく撮ってあげたいとカメラを持って見上げれば、公園を散策する人た
ちが次々に小さなサクランボを見つけて指を指します。

とても小さなサクランボですもの、すっかり真っ赤になってしまいましたよ。

桜の木はわが子が見上げられているのに気づいて、ザワッと風に揺れて
喜んでいるのでした。




 

開いて候

カテゴリー │メシメシ探検隊



がまぐちを 開いて欲する おあじかな

月末なんてぇものは給料取りにはうれしいものですが、あたしたち自営にはう
れしくない。

自営なんて言いますが自衛ってわけで自らを守らなければなりませんな。

自営なら儲かっていいわねぇなんてからかわれますが、うまい話もありません。
魚でもアジにありつけばありがたく自営タイなどは夢の夢でありますな。

アジはうまい魚でして骨のある方からいただき、苦労は先にすませますな。

次に身だけの方をいただき、これはご褒美であります。

骨だけの方をひっくり返し、せわしなく箸を動かして骨の間の身までいただい
てしまうという。
命をいただきますから、骨身を惜しまないと言う。

アジの開きで人生を語ってしまう所が自営の苦労人である! なんて机を叩き
ましても一人仕事の我が事務所には誰もいないのであります。

まあアジは見事に頭だけになりまして満腹であります。

自営に嘆いてるかって?

いえいえ おアシはありませんがアジな人生で意気さかんなであります。

あまりうまく泳ぎませんが、たまに腹出して浮いきますからつついて下さい。

まあ・・アジを食ってうまかった、それだけのことを長々と引き延ばして書い
ているうなぎ野郎でございます。
どうりで掴みどころがなないね! ってえところでおやすみなさい。



 

緑への探検

カテゴリー │花ばなしい



ふと忘れていたことに気づき、車をまわせば気づかずに過ごしそうになった
緑に再会できる。

人と同じ光を浴びて緑も成長している。
そしてその緑は人の一生に何十回も、もしかしたら百回以上も命の輝きを
見せてくれるのです。

伸び盛りの幼子の若い緑が青年期を迎え、大きく花をつけてやがて実を
成して、足元に無数の可能性を残す。
冬を迎えても来るべき春にその実を少しづつ伸ばしている様子に力づけら
れる。

きつい冬の寒さの後に必ず若芽をふき、花をつけることを知らせてくれるの
です。

公園の入り口は今日の緑への出会いのアプローチです。

目立つ花あれば、葉の間に照れてかくれる花もある。

まだ夏の前だというのに大きな実を早くもつけているものもあるのです。

気づけば数日、数週間経っている。

私たちの一生を毎年見せてくれる緑が今日も育っているのです。

緑が教えてくれる光の中で、私たちは一緒に生かされている喜びを感じ
るのです。

さあ、公園に出かけてみましょうね。


 

僕の花

カテゴリー │花ばなしい



小さな花がふるえています。

まだ丈夫ではなけけれど、根っこを張り、茎を伸ばし、きれいな葉をたく
さんつけて小さな花をつけたのです。

僕らはきれいだきれいだと大切に思いますが、小さな花はたった一人
で雨風に耐えて育ってきたのです。

小さな花をつけるまで、僕らは茎のこと、小さな花芽のことを思っていた
でしょうか

花が咲いて気づいたのではないでしょうか

小さい花はもう大人です。 きれいきれいより、もっと社会で咲きたいの
です。
大きな花を咲かせて、みんなの為になりたいのです。

僕らにできるのは、見守るだけ、ごくたまに乾いた土に水をあげられるこ
とくらいでしょうか

小さい花が震えているときぐらいは、支えてあげられるくらいでしょうか


 

ぶん屋FMはじまるよ

カテゴリー │よろずオススメ



木曜11時10分ならFMハロー!

ご存知ぶん屋の兄ぃの放送がはじまります

今からです おすすめします。 さてとさてラジオブレイクですよ。



 

緑が香り汁

カテゴリー │メシメシ探検隊



なんでこんなに緑が好きなんでしょう。

今日は木曜、兄貴分のぶん屋の兄ぃがFMハローに11:10頃からでる日なのだが

兄ぃが言うには人間には三種類あるそうで、山の人、野の人、海の人である
と言う。

肉の好きな兄ぃは山の人だと言い、実家も興誠近くの焼肉屋サランだから頷ける。

姐さんは野菜が大好きで野の人で、魚好きなおまいさんは海の人だという言
うのです。

海の人ながら緑の野菜、とくに緑の濃い野菜に惹かれるのです。

きぬさや えんどう そらまめ類、ピーマンにセロリ、この地域ではセロリを
セルリーなんて呼びますな。

緑が味噌汁に香る。
まめの若い力をいただく。
なにを青くさい話をしているんだと言われても海からあがり野の草を食べはじ
めたカエルの祖先のような男でございます。

雨ですなあ ゲロゲロ



 

坂下の家紋花

カテゴリー │デキゴト路地



興誠中・高校への東の坂の下、百段坂の下には白い花が咲いています。

少林寺に続く坂に家紋のように白く凛とした花が咲いています。

墓に供えられた心の花を守る生け垣の下にそっと静かに咲いています。

力強く生きる命がこの坂を上る。今日の業を終えて坂を下りてくる。

白い花は今日も坂を見上げて咲いています。
雨にきりりと向かい合っています。



 

厨房庄屋の兄さん

カテゴリー │友達100人できるかな



エリーのお父さんこと庄屋の大将とのお付き合いは19年続けた庄屋を閉めた年
にはじまります。

カウンターの向こうで見事な包丁さばきを見ながら話せば高校の先輩だったこ
とを知るのです。

新たに大人の健康管理ができる食事を作る事業に転進され、庄屋は厨房庄屋と
名を変えました。

久々に呼んでいただいてお話を聞けば、工夫を重ねられ成人病対策をする病院
のお墨付きをもらうまでになったそうです。

今や成人病は蔓延し、透析を受ける人も多くなり、成人病対策は日頃の食が大
切です。

病院の依頼で透析を受けている患者さんの食事も担当していると聞きました。

店の頃から魚中心の健康メニューを肴に勧めてくれた庄屋さん。

成人病にならないよう、なった人にも健康的なご飯を提供したいと聞きました。
先輩後輩の関係復活!
できることからお手伝いしたいと思います。



を改め、



 

ふきミソずいっ

カテゴリー │メシメシ探検隊



ズイズイずっころばし ふきミソずい

そんな歌があったような替え歌のような ふきの味噌が出てまいりました。

「これはふき味噌、ご飯にのせてもキャウリにつけても美味しいよ」

定食五郎八の女将はそう言って定食の盆を置くのです。

ご飯にのせれば山や沢に生える蕗の山菜独特の香りが立つ。

おかず味噌のたぐいが大好きな男にはなによりのご馳走です。

馳走はもてなしの心で食材を走り回って集めることを言う。

仲のよいご夫婦が切り盛りする小さな食堂は冬の大根漬けも手作りである。

ふきみそをたっぷりにご飯をあぐりといただく。

馳走なり 山の初夏をいただいた。

ごちそうさまでした。



 

怪獣ザリガニ

カテゴリー │花ばなしい



小学校は輝く田んぼの向こうにある。

この季節の通学路はまるで湖に浮かぶ橋のように田んぼの水に照らされ
ている。
もう40年も前、小学校へ通う通学路はそんな様子でした。

田に水を引く小さな水路を覗き込みながら歩くのは、ところどころにいる
小さな生き物を見つけて歩く楽しみです。

少し太い水路の棒杭には必ずアメリカザリガニがいて、ドキドキしてしまう。
学校へ向かう道でなければすぐにでもつかまえたいのです。

「ザンキーいたぞ」、きっと帰りには大いに道草をしてザリガニ釣りをするの
です。

田にはヒラヒラと泳ぐ気持ちが悪いヒルがいたり、スイスイと泳ぐゲンゴロウ
がいます。
図鑑でしか見たことがないタイコウチやタガメが見つかればバンザイしたい
ほどの喜びです。

もういなくなってしまったと思っていたアメリカザリガニを見つけました。
公園の浅い水はビオトーブ、水草の根元から這い出してきたのです。

太陽に照らされて大きな影をつくるのは、小さな小さなピッツピッツメダカです。

浅い水底のザリガニはまるで怪獣のようなカッコよさをしています。

「アメリカザンキーだ!」、少年の心が叫びました。

子供を連れたお母さんが歩いてきても、少年は黙っています。
僕だけが見つけたザンキーなのですから。

今は獲られることもないだろう彼は、ゆっくりと水底の怪獣の姿を見せてくれて
いたのでした。


 

真夏のブラッシュ

カテゴリー │花ばなしい



緑の公園の散策路は、少し前までは伸び盛りの新緑を眩しく見ていたは
ずなのに、今はもう道にはみ出すほどの勢いで緑が迫っています。

あの枯れ枝の小さなリンゴのようなさんざしも、こんもりと葉を茂らせてい
ます。

緑が重なり、濃いもの薄いもの、丸いもの長いものが重なってムコウにな
にがあるのかもわからない。
5月末の公園は花より、葉が支配する世界なのです。

小さなザクロの実、小さなサクランボが唯一の小さな赤、それ以外は青年
期を迎えた緑で埋め尽くされているのです。

そこにいきなり現れたのは、夏のブラッシュ、真っ赤なブラシが夏と同じ強
さとなった太陽に挑んでいます。

まだ、虫たちが現れない静かな公園の空気を夏に染めているのです。

緑のいきれの中で、突然の夏を見る。

緑にとけた葉の中に、まあるい梅の実がかくれていました。

何もかもが緑の散策路は怖いほどの緑のジャングルなのでした。