リップスティック

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リップスティック

若い若い葉がファインダーを緑に染める中に、この季節一番の口紅が生まれ
ました。

夏の誘惑、情熱ザクロのリップスティックです。

男たちにとってもっとも不思議で謎めく化粧品は口紅、それは触れてはなら
ぬ聖域にあるのです。

母の嫁入り道具であったという鏡台の小さな引き出しにしまわれた口紅は
甘い匂いのする大人の女性の持ち物でした。

鏡に口紅で書く伝言という映画みたいなサヨナラは憧れの生活の中にあり
ました。

ルルル、ルルル リップスティック 口紅は一文字のレッド、

漂う香りは女性の残り香なのでしょうか

「私きれいになります」と大人になってゆくのです。

勢いを増す緑が支配する公園の森に、ハッとするほどのレッドは熟れて開く
ザクロの誘惑をまだ予感させない若さなのでした。

赤く赤く、緑の森のレッドはおろしたてのレッド。

何歳になっても、男たちは手に取ることのない鏡台の不思議なのでした。

さて、今年の夏はどう誘惑してくれるのでしょうね。

赤い口紅は、少し怖くて、それでも吸い寄せられてしまう色なのです。


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