ふきのとうの事情

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ふきのとうの事情

テレビやラジオが春の訪れを告げている。

「ふきのとうが芽を出しました」に心響くのは昨年初めてふき
のとうを摘み、その楽しさを知ったからでした。

山のお母さんの店のまわりは山の沢沿いにあります。そこには
この季節三椏(みつまた)が蕾をふくらめています。
そしてふきのとうがたくさん芽を出すのです。

ふきのとう摘んで天ぷらをお願いしていいですか

母さんの顔がちょっと曇るのは今年はあまりないと言うのです。

沢沿いのそこは母さんが草をきれいに刈ってあります。そこに
たくさんあったはずのふきのとうが見つからないのです。
昨年もいくつかは残して摘むように言われたのだから、どこに
芽を出すかは知っていたのです。

沢沿いの奥の奥まで行き、ようやくふきのとうを見つけること
ができました。

地域には山の幸を出す別のお店があります。
今年ふきのとうはそのお店の人が来て摘んでしまったと土地の
人に聞きました。

残念なことにそれでひとつも見つからなかったことを知りま
した。

山の幸は山の人たちが分け合い摘み楽しむのも山の人のルール
ですが、ひとつも見つからないのはとても残念です。

炭火で焼けばあの苦い香りがあがりはじめる。それに味噌をつ
けては焼きました。
ふきのとうは若い緑の味がします。

分け合って食べるふきのとうは山の春の匂いがします。

時に人は苦きことをしてしまうのも知っている。

人への心持たざれば決して春も恵みも豊かな味にはならなかった
ことでしょう。


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